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【学生広報スタッフ】One Minute Video コンテスト2025にてグランプリを獲得した学生を取材

学生活動

2025.10.31

私たち学生広報スタッフは、JIUの情報を学内外に学生目線で発信をしています。主に学生へのインタビューやイベントの取材を行い発信しています。

学生広報スタッフ 宮田 光(経営情報学部4年)

メディア学部メディア情報学科映像芸術コース3年 北川玲央さん(写真:右)が「制作演習C(PVCM)」で制作した作品「愛常」が、「One Minute Video コンテスト2025」にてグランプリを受賞しました。北川さんに企画や撮影に関するお話や、受賞の喜びを聞きました。

 

制作にあたって

今回の作品のタイトル『愛常』に込めた意味は、1つの大きなテーマとして日常に流れてしまう当たり前こそが大切であることだと表しています。誰もが分かっていても、実際にそこに目を向けられているか再認識して欲しくて、今回この作品を制作しました。日常に流れている当たり前として、愛情という言葉を1つのテーマに選択しました。愛情の情の文字を日常の常に変えて作品の内容を表す、このタイトルにしています。このコンテストでは作品を1分という短い時間で伝えなければいけないのですが、この1分という短い時間で伝えたいと意識したことは、焦燥感や危機感です。映像の序盤は普段穏やかに過ぎる毎日の暖かさを見せつつ、最後に一気に暗く落とし込むことで印象に残るようにしました。この作品はプライベートでのとあるきっかけから、自分が今、家族揃って食事をしている日常は当たり前ではないと気づきました。自分では分かっていたつもりでしたが、身近に異なる環境の人がいて考えを改め直すべきだという思いがこの作品を制作するきっかけになりました。

インタビューに答える北川さん

撮影について

レンタルルームを借りて撮影した時に、生活感が出るようなセットにしてもらったり、実際に小学校が近くにあるような道で放課後の雰囲気が出るように撮影したりしました。役者に関しては友人の知人でイメージにピッタリな人を探して、撮影場所や出演者の選び方を工夫しました。
普段制作する時は視聴者に考えてもらう余白を作るのが好きですが、1分だと無駄が作れない上に余裕がないため、分かりやすいカットを並べていく過程に苦戦しました。
物語は幼少期に花を育てていたシーンから始まり、ラストでは花が枯れている場面で終わります。これは「当たり前も枯れていく」というメッセージを象徴しています。ラストシーンまでに、照明のライティングが徐々に暗く落ちていくカットを分かりやすく工夫しました。家での撮影は全て定点カメラを使っていたり、最後の花火をしているシーンでは、線香花火が落ちる時に愛情も切れてしまうことだったり、映像に比喩表現を用いているところを注目して見てもらいたいです。
今年度のテーマである『あなたの大切にしている事は何ですか?』を見たとき、真っ先に思い浮かんだのは「当たり前」と「愛情」でした。自分の等身大の想いを作品に込めて最優秀賞をいただけたことは、その部分をしっかり評価してもらえたと感じています。SNSを通じて多くの人に見てもらい、想いが届いていると実感しました。
最優秀賞が発表された瞬間は、自宅で友人とオンラインで発表を見ていました。最初の5作品の発表で名前が呼ばれず諦めかけていたとき、最後に自分の名前が呼ばれ、友人と共に喜びました。
実は最初、脚本などを先生に提出した際には、良い評価を貰えず、「このキャラクターについて再考した方がいい 」や「何を伝えたいのか」など厳しい言葉をいただきました。その後「よくここまで作品に持ち上げたね」としっかりと評価していただき、作品を形作れたことが嬉しいです。審査員の方からは作品に込めた想いが伝わった、と評価していただき、とても励みになりました。

 

 

今後について

この作品を制作した授業で、先生から毎回フィードバックをいただき、自分の映像の中でもかなり大きな学びになっていました。今回、愛情というテーマで感情や情というものを掲げましたが、今後は欲や社会問題など異なるテイストの映像も作ってみたいです。
将来は映像ディレクターを目指しており、今回の作品のようなPVやMV、CMなどを作りたいと考えています。たくさんの人に見ていただき、見た人それぞれの解釈の中で映像の幅が広がっていけば良いなと思っています。今回は振り切って制作にあたったことで、中途半端な表現では伝えたい想いも伝わらないと感じました。あえてダークな雰囲気にしたことで、見た方に私の考えが伝わり、評価していただけたのだと思いました。

最後に

今回の作品『愛常』を一言で表すと「当たり前もいつかは枯れてしまう」という想いが込められていて、この言葉は作品のキャッチフレーズにも採用しています。映像制作を通して、伝えることに対する考えが今までと大きく変わりました。以前は「分かる人にだけ伝わればいい」と思っていましたが、今は「大事なことほど分かりやすく伝えなければならない」と考えるようになりました。
今後コンテストを目指す学生には、色々な映像の技法や隠れたメッセージを入れることがとても効果的だと伝えたいです。そして今回のコンテストで「伝える、伝わる」ということが大切だと感じたため、1番伝えたいものは分かりやすく、どう面白く伝えられるかということが大事だと思います。