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ハンガリー研修 18日目①

ハンガリー研修

2025.09.04

9月2日(18日目)①:外科麻酔と集中治療

 麻酔には、外科手術で使われる「外科麻酔」と、手術前後を含めた「周手術期麻酔」があります。手術では全身麻酔か、背中から薬を入れて下半身の感覚をなくす方法のいずれかが選ばれます。どの方法を使うかは病気や体の状態、年齢によって決まり、麻酔科医と患者が直接話し合い、安心して手術を受けられるように準備されます。また、手術後に血栓を防ぐ対策も重要です。

 不安や緊張をやわらげる鎮静(sedation)も行われ、感染予防には抗生物質(antibiotics)が使われます。

 全身麻酔の導入には、静脈注射、吸入、筋肉注射の3つがあります。小児では点滴が難しかったり、マスクを嫌がるため、筋肉注射を使うこともあります。体型や持病によっては気管挿管が難しく、特別な機器や気管切開が必要になることもあります。

 背中から麻酔薬を入れる方法は、下肢の手術、泌尿器科や婦人科の手術、帝王切開でよく使われる硬膜外麻酔は術後もチューブを残して鎮痛に使える利点があります。特に高齢者では回復が早く、全身麻酔による合併症も避けやすいというメリットがあります。

 病院見学ではHDU(High Dependency Unit)を訪問しました。HDUは、ICU(Intensive Care Unit)のように人工呼吸器管理を必要とする最重症患者ではなく、一般病棟よりも厳重な管理を要する患者を対象にした「準集中治療室」です。欧米では心臓外科や神経疾患など特定の状態に特化したHDUが設けられることも特徴です。今回見学したHDUは5床あり、そのうち3床が使用されていました。術後は血栓を防ぐために早期離床が大切だということも学びました。

A.I