教員活動
2025.04.17
令和7年度科研費基盤研究(C)に薬学部教員3名の研究課題が採択されました。
採択された教員および研究課題は以下の通りです。
中村 洋 先生
「性と生殖に関する健康と権利(SRHR)」の概念普及に向けた教材と教育法の開発
一般市民の性教育及び性に関するリテラシーが不十分であることが緊急避妊薬の市販薬化に向けた課題のひとつに挙げられています。この課題を解決するために、私たちは「性と生殖に関する健康と権利」の概念普及を狙った教材を作成するとともに薬剤師が積極的に関与する教育法の開発を目指しています。本研究の成果は、自分自身の健康・権利と向き合って緊急避妊薬を正しく選択できる環境を整えることにつながると考えられます。
新垣 知輝 先生
理数系に苦手意識をもつ学習者に適したリメディアル教育用eラーニング教材の開発
大学のユニバーサル化に伴い、多種多様な人材が大学に入学している中、彼らに対して従来の「具体的思考法」に基づく教授法では十分な教育効果を上げられていないという現状があります。本研究では、「抽象的思考法」による学習を行うことでより効果的な教育が行えるのではないのかと考え、学習者が特に苦手としている数学の指数対数分野をはじめとした教材の開発を行うとともに、 eラーニング教材としていつでもどこでも学習できる環境づくりを進めます。
押坂 勇志 先生
Azone模倣構造を有するイオン液体の皮膚透過促進効果:イオン液体構成成分の影響
薬物の皮膚透過においては、皮膚の最外層である角層がバリアとして働くため、透過量が極めて少なくなることが知られています。しかし、製剤中にエタノールやメントールなどを含めることで、薬物の透過量を増加させることが可能です。本研究では、すでに医薬品で使用実績のある物質を用いて、イオン液体型の皮膚透過促進剤を作製し、その効果と皮膚への刺激性を評価します。この研究成果により、これまで皮膚透過量が少ないために外用剤として使用できなかった薬物についても、新たに製剤化が可能になると期待されます。