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教えて! Dr. SANAKA

教員活動

2018.03.09

薬剤師が知りたいバイタルサイン

監修 佐仲雅樹(Dr. SANAKA) 城西国際大学客員教授/津田沼中央総合病院内科医長

バイタルサインとは「生命(バイタル)」を直接反映する「徴候・指標(サイン)」であり、一般的には意識レベル、血圧、脈拍数、呼吸回数、体温が含まれます。バイタルサインは医療者の「共通言語」ともいわれており、チーム医療に関わる薬剤師もバイタルサインを十分に知る必要があります。

在宅患者さんは重い基礎疾患を有することが多く、加えて、加齢や「抵抗力(栄養状態、免疫力)」の低下のため、一見安定しているようにみえて、その体調は変わりやすいものです。「体調」をみる視点は2つあります。一つは、問診によって、「どのような病気が進行しているか?」を推測することです。これは論理的な思考であり、医師の病名診断に近いといえます。もう一つは、患者さんの様子を観察し、バイタルサインで全身状態を把握することです。

薬剤師は、体調のすぐれない方が薬局を訪れた際に、症状の訴えなどから、医療機関への受診勧奨、一般用医薬品(OTC薬)による対応、生活指導、のいずれかに振り分け、適切な対応を提案しています。こうした業務を、最近では“薬剤師によるトリアージ”と呼び、薬剤師が地域のプライマリ・ケアにおいて果たす重要な役割となっています。

冬になると「カゼ薬を下さい」とたくさんの人が薬局にやってきます。でもそれは本当に「カゼ」でしょうか?カゼによく似た重症疾患(カゼもどき)を見逃してはいませんか?薬局のトリアージでは、カゼと「カゼもどき」を見分けることはとても重要なことです。
『JIU 公開講座(2017/12/9・鴨川市)』(一部修正)

佐仲雅樹先生への質問はこちら
sanaka@jiu.ac.jp

今後も、薬剤師に必要なトリアージに関する情報を提供していきます。

佐仲雅樹先生の主な出版物

薬剤師のトリアージ実践ガイド
視診・バイタルサイン・問診による病態の捉え方
丸善出版(株)

フローチャートによるトリアージ実践マニュアル
その時、薬剤師はどのように判断するか
丸善出版(株)