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日本パラ陸上競技連盟副理事長の花岡伸和さんと学生でディスカッションを行いました

開催報告

2022.03.17

2022年3月8日に日本パラ陸上競技連盟副理事長の花岡伸和さんと学生で、オンラインディスカッションを実施しました。このディスカッションは、2021年12月17日に城西国際大学で開催された山武圏域自立支援協議会研修会で花岡さんが講演されたという経緯がある中で、千葉県障がい者スポーツ協会の林さんのご協力を得て実現しました。
ディスカッションには、研修会にも参加した3名の学生が参加しました。

ディスカッションでは、最初に花岡さんより研修会での講演で話しきれなかったメッセージをお話しいただきました。
車椅子というと障がい者の象徴としてのイメージが強いが、不便であっても不幸ではないし、不便を楽しむことが大切であるといったお話しや、車椅子でも色々なことが出来るということを体験して欲しいという思いを語られていました。
また、人と人を繋ぐことの大切さ、人それぞれの事情によらず楽しい時間を過ごせる空間の豊かさ、共生社会を実現するためにどうしたら良いのか等を、ご自身の経験を踏まえながら分かりやすく説明されていました。

その後、地域の課題を解決するためには、目の前の小さな課題を一つずつ解決していくことが大切であるという話から、参加した学生それぞれが感じる課題について、どのように解決していくかをディスカッションしていきました。
その中で、「コロナ禍で様々な体験がしにくい状況なので、現役のパラリンピアンと話してみたい」という学生からの意見が出ました。
その意見を受けて、花岡さんがその場で東京パラリンピックに出場された樋口政幸さんに連絡され、飛び入りで樋口さんにもディスカッションにご参加いただくことになりました。
樋口さんからは、コロナ禍での練習環境の変化や、変化をどのように受け入れていったのかというエピソードや、障がい者への支援について生活だけでなく趣味やスポーツなどのプラスアルファの部分も視野に入れることが大切であるというお話しをいただきました。

今回のディスカッションは、参加した学生達にとって非常に貴重な機会となったと思います。
ご協力いただきました花岡さん、樋口さん、林さんに改めて感謝申し上げます。

中央の3名が参加した学生、左下が花岡さん、右下が樋口さん

中央の3名が参加した学生、左下が花岡さん、右下が樋口さん

参加した学生の感想

今回のディスカッションを通して、できないことではなくできることに目を向ける大切さを学びました。私たちの代はコロナウイルスの影響を受け、授業の大半がオンライン授業になり、資格取得に必要な実習が内容を変更したり学内実習に切り替わりました。コロナ禍において限られた状況下で福祉の勉強をしてきましたが、実体験の少なさが不安の種でした。そのため、研修会やディスカッションを通して多くの人とかかわることがとても楽しく勉強になりました。ディスカッションの中で大学生の自分が感じる課題として実体験の少なさが挙げられたとき、花岡さんから「会いたい人はいますか?」と聞かれました。ディスカッションを通して障害者による当事者目線でのお話から得られるものの大切さや花岡さんのお話からパラリンピックへの興味がありパラリンピック選手を挙げたところ、花岡さんはその場で連絡を取り樋口さんを招待しました。コロナ禍でのご自身の活動や障害のことなど、花岡さんとは別の角度での樋口さんのお話はとても勉強になりました。ディスカッションの最後に「大きな課題を解決することは難しいけれど小さな課題を一つずつ解決することで大きな課題の解決につながる」と花岡さんはおっしゃいました。何度も聞いてきた言葉ではありますが、今回のディスカッションで花岡さんが学生の課題に真摯に向き合い対応してくださったことでその言葉には重みがありました。コロナ禍においてできないことばかり悩んでいましたが、今できることに目を向けて行動することの大切さを学ぶことができました。

今回のディスカッションで人と人を繋ぐにはお互いが認め合える環境や関係性が大切であることがわかりました。花岡さんが行っている小学校の特別授業では、車椅子利用者が困っていることを伝えるのではなく、車椅子でもできることを児童が楽しく学べるように工夫をされていました。この様に車椅子の限界を伝えるのではなく、車椅子の可能性を伝えることで、これから未来を作る子供たちや周りの大人に「車椅子ってカッコイイ!!」というプラスな印象を与えることができると思いました。また障害者が本当に必要としている福祉や支援を社会が取り入れていくことで、障害者だけではなく、多くの人と共存できる社会を今回のディスカッションから学び、双方がお互いに認め合える環境が作れると考えられました。

花岡さんの話を聴き「スポーツの楽しさ」「人との繋がり」を改めて学ぶ機会になりました。花岡さんが子どもに車いすマラソンを伝えて仲良くなる子どもは、「抵抗感がなく触れてくる」そうです。このような周りをひきつける花岡さんの接し方は、お話をしていてもすごく感じました。周りを笑顔にしてくれてとても楽しいディスカッションでした。花岡さんが話していた"不便を楽しむ"という考え方は、どんな人でも楽しくスポーツができるということをスマートに伝えてくださっていたのだ思います。このような、貴重な時間を、先輩方、先生方、花岡さんなどと話せて嬉しかったです。