ゼミ活動
2022.02.03
柴崎ゼミは南房総市観光協会と連携し、SDGsをテーマとした「学び旅」の作成とその商品化に取り組んできましたが、この度ゼミで考案した「太海の鰹節体験ツアー」が商品化されました。
鰹節は、日本古来の保存食であり、鰹がたくさん捕れた時にも無駄なく使いきれるようにという先人の知恵が詰まったサステイナブルな食材です。また、鰹節を作る際に出る不要な部分は廃棄せずに、畑の肥料としても活用してきました。このようなSDGsの理念に合致する食材である鰹節を、太海の海岸沿いの歴史ある鰹節工房で体験的に学ぶことで、「房総の魅力を再発見してほしい」というコンセプトでツアーを仕上げました。
このツアーは、2022年2月18日実施予定の「地域発着地型ツアー」という企画の第6弾「地元の魅力再発見」という企画に組み込まれました。【満席御礼です!】
太海の鰹節ツアーの立案作成過程で、私たちは大きな疑問にぶつかりました。それは、鴨川市に複数の鰹節の工房があることです。周辺の市や町には、調べた限り鰹節店はありません。そこで、私たちは図書館で地元の歴史について文献調査を行い、わからなかった部分は鴨川市の郷土資料館の学芸員の方に聞き取り調査を実施しました。そこでわかったことは、鰹節の加工技術は古来より連綿と伝授されてきており、その高い加工技術は江戸時代から引き合いがあり、現在でも複数の工房が鴨川市内に営まれているということです。その研究成果を、2022年1月26日に安房キャンパスで行われた「地域の魅力プレゼン発表会」で報告しました。
南房総市観光協会のみなさんと松葉屋さんに打ち合わせに行った時の様子
学生発表の様子
<ゼミ生の声①>
太海の鰹節は、明治時代に「太海節」として全国的なブランドになりました。それに貢献した鈴木松五郎さんについて発表会で言及しましたが、当日講評をしていただいた教育長の鈴木さんがその方の曽孫だということがわかり、とても驚きました。明治時代など自分とは関係のない遠い昔だと思いがちですが、鈴木さんと実際にお話ししてみて、過去と現在は予想以上に深く繋がっていることを再認識しました。(3年生 鳥山)
<ゼミ生の声②>
今回、仮説を立ててそれを立証するというアプローチで、「なぜ鴨川市に鰹節店が多いのか」という課題に取り組みました。まずは大学の図書館で文献調査を行いましたが部分的にわからないところがあり、それを鴨川市の郷土資料館の歴史に造詣の深い学芸員の方に教えていただきました。今回の一連の取り組みを通して、文献調査とその成果を発表することがとてもおもしろいものだと発見しました。(3年生 石嶺)
次年度のゼミナールでは、「どのように南房総地区により多くのインバウンド観光客を誘致するか」をテーマに、南房総市観光協会と連携して取り組みます。