This page does not support translation languages. ×

よ・ゼミ 第7回 事業創造における共創とは? (資生堂クリエイティブ株式会社『まち歩きの先にある<美>を見つける活動』)

自主ゼミ

2022.06.02

4質の良い教育をみんなに11住み続けられるまち作りを
 

学生たちが、大学での<学び>で得た「まちづくり」や「まちおこし」に関する知識や自ら取り組んできた地域連携活動による<学び>を、就職後(社会へ出てから)の活動の中でどのように実践・応用していけば良いのかを学ぶための自主ゼミ「よ・ゼミ」の第7回目を実施しました。

今回は、<美>の体験を通じて地域社会を取り巻く生活文化について考えている資生堂クリエイティブ株式会社の石井美加さん(以下、石井さん)をお招きし、資生堂という大企業の地域に対するpurpose(存在意義)を語ってもらうとともに、そうした企業理念のもとに行っているまち歩きの先にある<美>を見つける活動についてお話いただきました。

近年の本学カリキュラムの中では、日常観光の延長としてまち歩きを推進する取り組みも行っています。そのこともあり、今回の自主ゼミを大学での取り組みに活かすべく、地域住民の健康促進や地域資源の活用ということにとどまらない「まち歩きの可能性」について探る機会としました。

このような貴重な機会に、観光学部からは5名の学生(オンデマンド5名)が自主ゼミ「よ・ゼミ」に参加することとなりました。

今回の講和のテーマとして問いかけられた一言

今回の講和のテーマとして問いかけられた一言

観光学部3年 坂入桜花

今回の自主ゼミ「よ・ゼミ」では、資生堂株式会社から独立したばかりの資生堂クリエイティブ株式会社の地域との関わり方についてお話をうかがいました。今回の自主ゼミに参加したのは、「化粧品で有名な資生堂がまち歩きイベントを企画している」という衝撃的なお誘いを受けたことがきっかけでした。「どうして、化粧品会社がそのような企画をしたのだろうか?」「どんなことをやっているのだろう?」と思いを巡らせ、当日を迎えました。

冒頭に「今を生きるあなたにとって<美>とは何ですか?」との衝撃的な質問が、今回ご登壇くださった石井さんから投げかけられました。今まで考えたことがなかったので、すごく不思議な気持ちになりました。そんな中、「資生堂は、この<美>を抜きにしては語れない」とのことをお話しくださいました。

そんな不思議な感覚の中、今回は、二つのまち歩きのプロジェクトを紹介してもらいました。一つは、「鎌倉」。もう一つは、「銀座」で行われた企画です。

とくに、鎌倉でのまち歩きは印象に残ったのでご紹介します。

この企画は、資生堂の海外の拠点でクリエイティブに関わる社員を招き、「共通体験としての〈美〉」をテーマに行ったものです。
プログラムは、早朝、携帯をオフにし、北鎌倉にある東慶寺で座禅を組むことからスタートします。六時間かけて「地域・人から学ぶ」ことを目的とした企画者の指示に従い、五感を使いながら、最終目的地となっている海を目指すゲームのようなまち歩きです。道中の出来事やローカルパートナーとの過ごし方はさまざまで、芝生の庭でヨガを体験したチームもあれば、自然の造形物である石について考えたチームもありました。そして、こうした体験が終わった時に、「私のチームはこんなことをしたよ!」と自分の経験を楽しく共有しながら話すのだとのこと。一時間では終わらないくらい盛り上がったと聞き、「お互いの体験した違う環境について言語化したり、聞き手として想像を巡らせるということも楽しそうなことだな」と思いました。

最後になりますが、今回、この自主ゼミに参加してみて、資生堂のCMでよく聞く「美しさとは、人のしあわせを願うこと」というキャッチフレーズは、化粧品を販売するためだけの言葉ではなく、こうしたまち歩きも含め、すべての企業活動を支える理念なのだと改めて知ることができました。

座禅を組んで朝のアイスブレイク

座禅を組んで朝のアイスブレイク

自分たちのまち歩きについて、チームメイトで振り返っている様子

自分たちのまち歩きについて、チームメイトで振り返っている様子

国際交流学科卒業生 行木千賀(現・千葉県御宿町地域おこし協力隊)

今回の自主ゼミ「よ・ゼミ」に参加させて頂き「まち歩き」がより魅力的なものに感じました。以前までの私の「まち歩き」のイメージは、「観光スポットをめぐり、地域の魅力を感じるもの」ではあるが、「そこで終わってしまうもの...」という印象でした。しかし、今回の自主ゼミを介して資生堂クリエイティブ株式会社の石井さんのお話を聞き、やり方次第では地域の魅力を感じるだけではなく、個人的に魅力だと感じたものに対して、「一緒に考えてアクションしたり、意見を交換し合う」というステップがあるだけで、まちから様々なことを得られることがわかりました。
私の中には、「資生堂=美容」というイメージのもと、資生堂は化粧品販売をする企業だという印象が強くありました。そのため、「まち歩きは<美>を探す活動」と言われても、遠い活動のように感じていました。
しかし、今回のお話を聞いて、「日常のまち中でも、小さな自分の<美>を探すことはできる」ということを学びました。同時に、<美しさ>という概念についても、自分の中のもの差しを広げることで、日常の何もないと感じていた生活が急激に変わって見えるのだということを、私に気づかせてくれました。すごく素敵な活動だと思います。

ちなみに、私は、現在、千葉県御宿町で地域おこし協力隊として町の情報発信、移住定住促進を担当として活動しています。このような地方創生活動に興味を持つきっかけとなったのは、在学時に参加した観光学部が主催で行った東金市内の古い建物を見つけながらまち歩きをする活動でした。そういえば、「今あるものに目を向けること」や「小さな自分のお気に入りがまちにあるということ」を教えてくれたなと思い返します。この感覚は、現在活動をしている地域おこし協力隊でも大きく活かせていると思っていますが、今回改めてまち歩きの魅力についてお話を聞け、大切な想いを思い返すことができ、本当に参加してよかったなと思います。また、日常の生活の中に、自分なりの<美>を探す次のステップを考えてみたくなりました。

地域の<美>を探すためのまち歩きのルール(企画協力:NPO法人場所と物語)

地域の<美>を探すためのまち歩きのルール(企画協力:NPO法人場所と物語)

右:偶然、「"YES"と呼びたいもの」に出会い驚いている様子 左:ローカルパートナーから色々な講和を聞いている様子

右:偶然、「"YES"と呼びたいもの」に出会い驚いている様子
左:ローカルパートナーから色々な講和を聞いている様子

※詳細「こちら、資生堂宣伝部」
HP:https://creative.shiseido.com/jp/read/60126/