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同じ課題について違った視点で考えよう!看護学部との学部間交流の記録

ゼミ活動

2022.06.13

4質の良い教育をみんなに11すみ続けられるまちづくりを17パートナーシップで目標を達成しよう

観光学部・金子ゼミでは、本年度も「電動車椅子の観光利用」に関する研究を継続して実施しています。これまで研究とともに行ってきた広報活動の成果からか、本ゼミの活動に他学部の学生も興味を持ってくれました。そこで、金子ゼミでは、こうした総合大学としての強みと呼べる機会を利用し研究活動を推進していこうということで、他学部との交流を行いながら研究を進めていくこととしました。本記事は、その活動の記録となります。

看護学部の教員からツアーナースについて学ぶ様子

看護学部の教員からツアーナースについて学ぶ様子

観光学部金子ゼミ 髙橋 昂哉

本年度からツアーナースについて研究を実施し始めた看護学部の舘野・星野ゼミの教員と学生が、私たちが行っている「電動車椅子の観光利用」に関する研究に興味を持ってくれました。そこで、5月23日のゼミ内において、ゼミに教員と二年生三名をお呼びし、電動車椅子WHILL(以下、WHILL)に試乗していただきながらキャンパス内を散策し、キャンパス内における電動車椅子乗車時の課題について検証することとしました。

ちなみに、私は、事前にWHILLに試乗していたので、操作には慣れていたのですが、今回ゼミに出席したほとんどの学生が電動車椅子自体に乗ったことがなかったため、慣れない操作で苦戦していました。加えて、キャンパス内の舗装において凸凹している箇所や段差がきつい縁石などのある場所もあり、まだ運転に慣れない学生にとってはハードルが高い走行となったようです。WHILLは、自分で簡単に操作できることが特徴ではありますが、いきなり一人で走るには課題が多いことを学びました。とくに、エレベーターの乗り降りやスロープなどは、WHILLに乗車したことがあった私でも課題が多いことを実感しました。

話は変わりますが、今回のキャンパス内での散策のように、健常者による電動車椅子の日常利用が普及すると、「観光地においても電動車椅子を利用する健常者が増えていく」と思っています。そうした際に、「誰でも簡単に試乗できるような体制づくりが必要」だということを、今回の交流会を通し改めて学びました。そのためには、試乗者が考えうる限りの課題の洗い出しを行なっていかなければならないことも知ることができました。
最後になりますが、こうした活動は、今回ゼミに参加してくれた看護学部の学生たちが考えている「ツアーナース」業界においても有意義な資料となると思っていますので、今回の機会を大切にし、今後も意見交換をしていきたいと考えています。

想定外の乗車上のハードル:溝の深い凹凸のついた舗石目地

想定外の乗車上のハードル:溝の深い凹凸のついた舗石目地

看護学部舘野・星野ゼミ(2年生) 佐久間、沖山、松村

私たちは、ゼミ活動で「ツアーナースの現状と課題」について学んでいます。今回、観光学部のゼミに合流し、電動車椅子の試乗を通して貴重な体験をさせていただきました。学内で試乗し、電動車椅子で利用できるテーブルの高さや、自動ドアが開いた際のスペースについて、エレベーター前で人とすれ違う際の危険性など様々な課題に触れ、観光地のような混雑した場所や、公共交通機関を利用する上では、更なる課題があると感じました。

電動車椅子は両手を使って自走する必要がないため、上肢に力が入らない方でも利用ができ、行動の自由が確保され、心身共に負担が少ないというメリットが、新たな発見に繋がりました。高齢者や障がい者、疾患を抱えた方々が、誰でも旅行に出かけられる社会を目指し、看護の目線を持ちながら、観光学部の皆さんと共に学びを深めていきたいと思いました。

最後になりますが、観光学部の皆さん、貴重なお時間を割いてご教示いただきまして、ありがとうございました。

初めての乗車では操作の難しい「エレベーターへの乗り入れ」をサポートする様子

初めての乗車では操作の難しい「エレベーターへの乗り入れ」をサポートする様子