企業が投資する地域に根付いた古民家の再生事業について考える <大三川邸>

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フィールド基礎演習aの第二クォーターの活動は、実際に東金市近傍の地域に足を運び、「個々の企業がどのような企業ブランディングを行い、その企業ブランディングを介し、地域観光にどのように寄与しようとしているのか?」ということについて学ぶ機会としています。
本年度は、多古町にある株式会社船越ワイナリー(以下、船越ワイナリー)、同じく多古町にある大三川邸(株式会社マイナビ不動産(以下、マイナビ不動産))(以下、大三川邸)、合資会社 寒菊銘醸(以下、寒菊銘醸)を視察しました。

そこで、今回は、3回に分け、その視察を通して学生が学んだことについてご紹介します。
今回は、千葉県多古町にある大三川邸です。

● 観光学部3年 盧 彦名
今回、フィールド基礎演習aという授業での視察において、私の印象に最も残った拠点は、千葉県多古町にある大三川邸です。この大三川邸は、築150年以上の歴史を持つ古民家で、昔は豪農の一族が住んでいた建物です。

2020年頃、多古町から「観光客を呼び込みたい」という想いが声として上がってきたこともあり、この施設を地域の拠点施設として再生させる事業が始まったようです。その際、多古町の役場職員が、地方銀行に相談したところ、マイナビ不動産を紹介され、彼らに再生事業のプランニングとその後の運用を任せることとなりました。そして、現在のように宿泊施設として再生され、地域の価値を向上させるブランディングの拠点となったわけです。

再生された大三川邸の内観
留学生にも評価の高かった現代和風の設え

 

ちなみに、私は、大三川邸の宿泊事業は、地域の景観を活かした「田園風景を眺む宿」というコンセプトであったり、「地元店と連携」したまちぐるみの取り組みとなっており、地域全体のブランディングにも寄与していると感じました。また、こうしたコンセプトは、非常に価値のあるものだと感じました。その理由は二つあります。

まず、外国人観光客は、日本の観光地と言えば、東京や大阪などの大都市や京都や奈良などの古都の景色しか思いつきません。そのため、今回、見学したこの景色は、日本に観光する訪日外国人たちには知られていない情報ですが、千葉ならではの田園風景だと感じました。とくに、大三川邸を見学した際に、宿泊施設の裏山の頂上にある露天風呂まで登ったのですが、そこから見えた田園風景は絶景でした。また、同行していた日本人学生に「お婆ちゃんの家はこういう感じだった」という話を聞いて、日本の地方社会の生活も代表できるいい事例だとも思いました。とくに、成田空港から近いこともあるので、訪日観光客の興味を惹く独特な観光資源になれるのかと思い見学をしていました。

露天風呂から眺める日本固有の田園風景


次に、「地元店との連携」についてお話を聞き、こうした連携事業は地域全体の魅力を発信することができるいい手段だと思いました。
例えば、この施設を訪れる前に伺った船越ワイナリーと連携しワインを提供していたこともあるとのことでしたが、こうした地元の店と連携してデリバリーサービスを行うことは、大三川邸以外の地域産業の宣伝にもなるのだと思ったからです。
ちなみに、こうしたことをいい手段だと思った理由は、宿泊施設の魅力だけを発信していてもその宿泊施設は成功しないと、私は日頃から思っているからです。地域全体のブランディングを発信しなければ、町全体の認知度が上がらないからです。町全体の認知度が上がれば、自ずと施設各自の認知度向上にも繋がると思っています。

マイナビ不動産から大三川邸のブランディングコンセプトをうかがう風景

 

最後になりますが、こうしたコンセプトを持続させ、大三川邸を中心とした多古町の地域の価値向上を図ることが重要だと学びました。そうしたことの積み重ねが、海外からの予約数にもつながるのではないのかと考えるからです。