フィールドワーク
2022.12.19
観光プロジェクトaは、観光ビジネスの現場を実地見学し、「現地」「現物」「現人」から直接学んで現状を理解するとともに、そこから課題を抽出してグループディスカッションによって解決策を導き出し発表する課題解決型授業です。
人気授業のため受講者が多いので、同様の実地見学を年二回開講しています。つきましては、今回も第2クォーター同様、成田国際空港近傍にある「空と大地の歴史館」と「航空科学博物館」と「成田国際空港ターミナルビル」などを学生14人が訪問しました。
観光プロジェクトaの第1回目の見学先は、成田市にある「空と大地の歴史館(以下、歴史館)」と、「航空科学博物館(以下、科学博物館)」でした。
歴史館では、成田空港が成田市三里塚に建設されることが決まってから成田空港開港までの歴史が年代順に分かりやすく記されていました。成田空港が開港するまでの期間、住民の反対運動と空港建設を推進する国家的プロジェクトとの間に激しい対立が生まれ、その衝突で多くの犠牲者が出てしまった過去があったことを学びました。当時の住民の様子を表す文献や記録集が展示されていて、中には衝撃を受ける事実も展示されていました。この問題に関わった様々な立場の人の苦悩を学ぶことができました。
この講義を受けるまでは、成田空港にこのような歴史があったことを知りませんでした。過去に起きてしまった対立を二度と繰り返さないこと、その土地と人々に目を向けて問題を解決していく大切さを学びました。
次に、科学博物館を見学しました。ここには、飛行機に関する様々な展示品があります。その展示の中にあった、飛行機の胴体断面を見て、私はその機体の薄さに驚きました。その薄さは、なんと2㎜程だそうです。そんな薄さで空を飛んでいることに、とても衝撃を受けました。その他にも、科学博物館の屋外展示広場には、童心に帰ったようにはしゃぎたい気持ちでいっぱいになるほど、格好良く魅力的な飛行機やヘリコプターが展示されていました。また、成田空港での取り組みや、仕事内容を大人から子どもまで楽しく学ぶことが出来るコーナーがあり、そこでは多くの子ども連れの方が楽しんでいるのを目にしました。展示物以外にも、飛行機の離発着が眺められるビューテラスも見学しました。見晴らしが良く、天候にも恵まれたおかげで、とてもよく飛行機を眺めることができました。
以上が、歴史館と科学博物館の見学内容となります。
見学後のグループワークでは、これから成田空港に建設される第3滑走路の土地をスムーズに確保するための方策などについて、いろいろな意見が出されました。
上記の見学から学んだことを活かし、こうした方策を考えることも重要な取り組みだと考えます。今後もこうした課題解決能力を高めていきたいと思います。
観光プロジェクトaの授業の2回目のフィールドワークは、「成田国際空港ターミナルビル」でした。今年4月に拡張された第3ターミナルなどを見学しました。1回目の歴史館、科学博物館の見学を介して検討した課題の解決案を片手に見学に臨みました。
今回の見学では、成田空港第3ターミナルの役割や成田空港内に取り入れられている設備やデザインについて、座学では学べないことを学ぶことができました。
とくに、今回の見学で印象に残っている2つのことをご紹介します。
1つ目は、第2ターミナルと第3ターミナルを結ぶ通路がとても鮮やかだったことです。連絡通路の壁にはカラフルなデザインのアートがありました。これは知的障がいをもった作家が所属している株式会社ヘラルボニーと成田国際空港との協働プロジェクトとして、連絡通路をアートで彩るというものです。これを見た際に、私は、連絡通路が鮮やかなアートで彩られていることで、真っ白な連絡通路よりもお客様の気分が高まるのではないかと感じました。
2つ目は第3ターミナルでは、天井が張られておらず、配管がそのまま見えたことです。第3ターミナルにはLCC(格安航空会社)が入っているためか、配管が見えることでとても質素なつくりという印象を受けました。そのこともあり、見学後のグループワークでは、「お金をかけてでも天井を設けるべき!」という意見や「むき出しの配管に装飾を施してはどうか?」といった提案が出されました。
最後になりますが、実際に足を運んでみることで、座学だけでは学べないことや気づきがたくさんあり、とても有意義な時間を過ごすことができました。