特集
2023.03.13
観光メディア制作aでは、1月21日、22日、八鶴館、文化財カフェ・サントス(以下、サントス)と行った東金市にある文化財を活用し、『7200秒の東金フィルム–光と映像で時を超えて–』(東金商工会議所主催)という映像祭を企画し実施しました。
本映像祭は、観光庁「地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出事業」の一環として実施しています。学生たちは、企画の段階から、東金市及び東金商工会議所と連携を図り、多くのアイデアを紡いできました。そうした活動の中で企画された案が上記の事業として採択されました。採択後も、具体的な企画の推進方法や運営方法などについて、<まちなか先生>と称する地域で活躍している人材とともに立案検討をおこなっています。
そうした活動について、学生からの報告を、今回の企画の軸となる「企画・運営」「食」「演出」「広報」に分類し、四回に渡りご紹介したいと思います。
今回は、「食」という軸で活動したメンバーからの報告です。
○ 観光学部3年 篠田 康太朗
私は、今回、『7200秒の東金フィルム–光と映像で時を超えて–』という学生が企画した映像祭を、「食」の立場から盛り上げることを目標としたチームの一員として活動してきました。
とくに、今回のイベントで提供する「食」は、地産地消やフードロスをテーマとしています。私は、フードロスのテーマを選択し、道の駅・みのりの郷東金のご協力のもと『フードロス対策BOX』を設置してもらい、道の駅に出荷している山武郡市の農家さんから破棄する予定の野菜をご提供いただきました。その野菜を利用し、今回のイベントを盛り上げることとしました。
私は、このようなイベントを行うことが初めての経験だったので、「食」の部門のチームに所属することを決めたのですが、何から手を付ければ良いのか全く分かりませんでした。ただ、同じチームに所属することとなったチームメイトと、「会場となっているサントスを借りて私たちもできる範囲で調理をしてみよう!」ということになり、本格的に地域の方々との打ち合わせを始めました。
慣れないこともあったため、何度も打ち合わせを行い、今回のイベントには何が適しているのか考えながら、いろいろな試作品を作りました。とくに、サントスの従業員の方々には、カフェを運営している合間をみてメニューの相談や試作品作りに協力してもらったので、なんとお礼を言っていいかわかりません。おかげで、自分たちでも地域独自のピクルスを制作したり、協働で考案した野菜スープを作ることができました。自分たちでキッチンカーを借り、そこで販売できたこともいい経験です。しかも、イベント当日は、多くの人にお越しいただき、大変嬉しく思っています。
最後になりますが、上記のような活動のおかげで、自分に足りないことにも気づけました。それは、人を頼ることです。この企画が始まった当初は、あまり人に頼る事をしていませんでしたが、今回のような場面では仕事を振り分けて円滑に進めることが必要であると理解することが出来ました。
協力してくださった皆様にはこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
○ 観光学部3年 小林 志生
私は、今回のイベントにおいて、日頃からキッチンカーを使って飲食の販売を行なっている方々をお呼びし、地産地消やフードロスなどのテーマでイベントを盛り上げてもらうための仲介をする役割を担っていました。最初は「自分が動くことも少ないので、あまり大変な仕事ではないだろう…」と考えていましたが、いざやってみるとかなり大変な作業を伴う活動でした。
まず、キッチンカーを運営する企業の選出では、東金市の近隣地域で活動しているキッチンカーを探すところから始まりました。そして、その中から、今回のイベントに合うと思われるキッチンカーの運営者と連絡を取ることに始まり、お店が出店する立地の調査や出店場所が決まってからの場所の借用など色々とやることが山積みでした。ただ、こうしたことも今までやったことがなかったので、キッチンカーに出店してもらうために何をすればいいのかなど、<まちなか先生>となってくれたキッチンカーを運営している佐藤朝香さんに相談しながら進めさせていただきました。
ちなみに、こうした活動を通して感じたことは、イベントを考えている人とキッチンカーを運営する企業が二者で調整をするだけでなく、地域の皆さまとの調整も綿密に行わないといけないということでした。イベントを主催する側だけが効率良く運営できる方法を考えるだけではいけないと感じたからです。とくに、イベントを実施する敷地の管理上、「地域コミュニティからの理解が必要だ」と感じたことにあります。こうしたことも、地域に属する<まちなか先生>から教わったことでしたが、とても大きな学びでした。
今回は、こうした学びを経て、私たちなりにではありますが、最後までしっかりと準備し、なんとかイベントを終えることができました。ただ、「もっとやれることがあったのではないのか?」とも思ってしまうことがあります。
これからの時代の中では、観光に関わるホテルやツアー企画をする企業に入ったとしても、地域の人との関わりが重視される社会になると言われているので、社会に出てもこうしたイベントなどをする機会があるかもしれません。そんな時には、今回の経験を糧に、地域の異分野の企業とも連携を図り、スムーズに活動を進められるようにしたいと思いました。そして、「もっと新しい試みにも挑戦したい!」とも思うこともできたので、そうしたイベントを作る機会に出会えた際には、地域コミュニティの中に入り込んで一緒に考えていける場づくりもできたらと思います。
●観光学部3年 佐久間 康晟
私は、今回のイベントで、屋外会場の演出も兼ねたドラム缶の半切りを使った焚き火の担当となりました。そのドラム缶の中では、地産地消のテーマのもと焼き芋の調理もおこないました。私は、ゼミ活動の中でも、ドラム缶を利用したドラム缶風呂体験を経験したことがあるため、今回の役割をかってでました。
ただ、ゼミ活動では地域の方々がサポートしてくれていたような消防署からの許可の取得など、初めてのことを経験することになりました。こうした準備段階を経て、無事イベント当日を迎えることができました。その際には万全の準備ができていたと思っていたのですが、当日に検査にきた消防の方の対応をする際に、用意しておかないといけなかったものが足りなかったり、ドラム缶の設置場所を変更する必要があったりと少しドタバタしてしまいました。とくに、火の管理上、屋外会場となっていた場所に隣接する文化財カフェ・サントスの建屋に、火の粉が飛び散らないようにするための対応に時間を取られました。わかっていることと経験することは違うということを学びました。
焼き芋づくりも初めての試みであったので、<まちなか先生>の力を借りながらなんとか役割を果たすことができました。そのおかげで、訪れてくれたお客様には「焚き火の火が懐かしくていいね!」「この焼き芋、美味しいね!」と言ってもらえました。
今回のイベントは、忙しくて大変なことも多くありましたが、非常に充実した一日でした。今回のイベントが、今後も続いていくかはわかりませんが、私たちが行ったことが少しでも東金市の観光振興になったのなら非常に喜ばしいことだと思います。今後も今回の経験を活かし、東金市を盛り上げる活動を行っていきたいです。