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2022年度 国内研修・奈良編 大仏と鹿だけではない「DEEP・なら」の観光資源について学ぶ

国内研修

2023.03.18

観光学部では2023年2月19日~21日の日程で、奈良県での国内研修を実施しました。
3年間にわたったコロナ禍からようやく観光客が戻ってきた日本の観光地の中でも、その長い歴史を五感で感じられるエリアとして外国人にも人気の奈良。
初日は、世界遺産「古都奈良の文化財」を学ぶべく、東大寺を見学しました。一般的な見学先である南大門と大仏殿だけでなく、法華堂、「修二会(お水取り)」の二月堂、東大寺ミュージアムなどを見学しました。また、興福寺にて仏像を鑑賞しました。
二日目は、興福寺の南に位置する「ならまち(観光地化を促進するために元興寺旧境内を中心として作られた新旧様々なお店が軒を連ねる地域の呼称)」をボランティアガイドの案内のもと鑑賞しました。 
午後は、5つのグループに分かれ、5つの地域をキーワードに即し(1. 飛鳥周辺(古代遺跡、サイクルツーリズム、飛鳥鍋)、2. 橿原・今井(橿原神宮、江戸情緒)、3.大和郡山(金魚の町、インスタ映え)、4. 斑鳩(竜田川と竜田揚げ、法隆寺)、5. 西の京(薬師寺・唐招提寺と天平文化)) を視察しました。
最終日は、天理市にあるなら芸術歴史文化村に赴き、文化財の修復に関する取り組みと課題について学芸員からお話を伺いました。
こうした視察先を通して、「観光客が減り経済的な打撃を受けた観光地はどう復興しようとしているのか」「伝統的な「古寺観光」だけでなく、まち歩きや文化財の修復体験といった、新たな観光資源は若者にも響くのか」といった視点で3日間にわたる研修を実施しました。

○ 観光学部3年 岩出 佳央理

今回の研修を通して、奈良県の魅力は、ディープな日本の歴史をゆったりと観光できるところだと感じました。京都府では日本古来の華やかな文化を一目で感じられますが、奈良県の観光名所を見て回ると中国から伝わった仏教文化が当時の日本に多大な影響を与えていたことがよく分かります。そうした歴史の学びを体験できる点は、やはり奈良県ならではの魅力なのだと現地に行ってみて感じました。
そんな学びとともに気づいたこの観光地の課題は、奈良県を観光する観光客が、奈良駅周辺に集中してしまっているという点でした。観光客が県内全域に分散されれば、奈良県で宿泊を伴う観光も増えるように思います。そのためにも、薬師寺や法隆寺周辺に、京都府の観光地と同様に、着物で周辺観光ができるような仕組みを持ったお店ができればと思いました。こうした取り組みを行い、若い世代や海外の観光客にも興味を持ってもらえればいいのかなと思いました。

近鉄の観光特急「あをによし」に乗車

○ 観光学部3年 高沢 玲奈

今回、私が実際に奈良県に観光視察に行ってみて感じた魅力は、寺院などの名所旧跡だけではなく、実際に人が住んでいる家も国の文化財として景観を作り上げているという点でした。
奈良県の観光地を象徴する著名寺院の広大な伽藍を巡るだけでなく、「ならまち」と呼ばれる地域をのんびりと散策することも、一昔前に戻ったような感覚を味わわせてくれ楽しむことができました。
ただ、奈良県の観光に関わる課題として、観光資源としてアピールされているものが近鉄奈良駅前から近い位置にあり、バスやタクシーでの移動をほとんど行わずに済んでしまうことが挙げられます。そのため、奈良市内に宿泊し、ゆっくり観光するというよりも日帰りの観光客が多くなる傾向にあるそうです。
私の印象では、東大寺も一日かけて巡ることができる観光名所だと感じたので、こうした情報をアピールし、連泊しても楽しめるプランなどを考えていくことが必要なのだろうと感じました。観光客の奈良での滞在時間を伸ばす取り組みをするとインバウンドも増え良いのではないのかと感じました。

宿泊した旅館の前で記念写真

○ 観光学部2年 阿部 心寧

私は、今回の研修先である奈良県に訪問する前は、「京都に比べて奈良には「食」の魅力がない」と思い込んでいました。しかし、近鉄奈良駅の周辺や東大寺の周辺などでは、大仏を模した饅頭や団子、柿の葉を使った和菓子などの店が並び、手土産として柿の葉寿司や柿最中、大和茶などが人気を博していました。奈良県にも、新旧問わず他県にはない魅力的な「食」の観光資源があることを知りました。

ならまちの中にある世界遺産・元興寺でガイドから説明を聞く様子

○ 観光学部2年 鈴木 貴平

私は、京都府や大阪府に観光に行くと、観光客が大勢いて疲れてしまいます。また、見たいものもゆっくり見ることが出来ないのであまり好みません。一方で、今回の研修で巡った奈良県は、観光客もそこまで多くなく、東大寺や興福寺といった素敵な環境をじっくりと見ることができました。歴史が好きな人にとっては、寺院の伽藍だけでなく宝物館で仏像とじっくり対面できるので、とても魅力的だと考えます。こうした奈良県の落ち着いた魅力を保ちつつ、誘客することで観光地を維持することのバランスの難しさを感じました。

興福寺東金堂(とうこんどう)と五重塔の前で記念写真

○ 観光学部1年 富山 遥菜

今回の奈良県での研修を終えて感じたことは、奈良県は「観光地としてとても魅力的な県である」ということでした。国宝・重要文化財や有名な遺跡、仏像、彫刻などが多く残されており、観光資源となる歴史的遺産に恵まれている土地だと感じたからです。さらに、伝統的な建造物が立ち並ぶ町並みが作り出す景観も落ち着いた面持ちの雰囲気が守られておりとても感激しました。一方で、奈良駅付近には新しい店も多く、そうした伝統と新しいものの混在する場がとても印象的でした。

文化財修復の様子を学芸員の解説で見学