2024年3月に韓国語コースを卒業し、現在、公益財団法人 日韓文化交流基金で働く松本さんに、在学中の学びや現在のお仕事について語っていただきました。
*本記事は、2025年1月に実施した「韓国語コース卒業生ゲストトーク」の内容を基に作成したものです。
私がJIUを選んだ理由は、韓国の留学先が充実していることでした。そのため、新入生オリエンテーションの初日から「留学したいんですけど、どうしたらいいですか?」と中川先生に質問しに行くくらい、やる気に溢れていました。また、英語などの外国語についてもネイティブスピーカーの先生から学べることに魅力を感じて、TOEICなどの試験対策も積極的に受講していました。
9割くらいは達成できたと思います。目標だった韓国留学も経験できましたし、TOEICの試験も、4年生の最後まで継続できなかったことが心残りではありますが、特に1年生の頃は試験を受けるたびに点数が上がるのが嬉しくて、頑張って勉強することができました。
私のチームは東金のカフェを紹介する動画を制作したのですが、ほとんど話したことがないメンバーが集まったこともあって、授業以外のLINEグループのやりとりではあまり話が進まず、提出期限ぎりぎりまで苦労しました。ただ、その経験から「どんな人と組んでも大丈夫なようにしたい」という意識が生まれ、いろんな人とコミュニケーションをとるようになりました。
「何日までにこれをやろう」、「何日までに完成させよう」などと段取りを決め、仲間とうまくコミュニケーションをとりながら進めるようになりました。そのおかげで成果物制作や課題提出など、1年生の頃よりもスムーズにできるようになったと思います。
私は積極的に交流活動をしたかったので、中川先生の「日韓協働ゼミ」を選択しました。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、中川先生のゼミでは絵本読み聞かせプロジェクトの活動を行います。韓国の絵本を日本語に翻訳して日本人の子どもに読み聞かせをしたり、韓国にルーツがある子どもたちに韓国語で読み聞かせをしたりするプロジェクトで、私の時はJIUを含め3大学くらいの大学生と協力しながら、読み聞かせ会を開きました。子どもたちとの交流はもちろんですが、プロジェクトを準備する過程で、私たちとは違う分野を専門的に学んでいる他大学の学生とも交流ができました。初めて知ったり経験したりすることが多く、とても刺激をもらえる、学びの多い活動の一つだったなと思います。
一番良かったことは、たくさんの人とのつながりを作れたことです。クラスの仲間と協力して成果物を制作したり、オープンキャンパスや絵本読み聞かせプロジェクトで活動したりして、先輩や後輩、学外にもつながりを作れたことは、自分にとって大きな強みになったと思います。実は、一つ思い出深いできごとがあって、オープンキャンパスのスタッフをした時に出会った高校生がその後JIUに入学したのですが、「先輩のお話を聞いてJIUへの入学を決めました」と、私の卒業式の日に言いに来てくれたんです。オープンキャンパスでできた縁がつながっていることを実感して、とても嬉しかったのを覚えています。
気になったことや、少しでもやってみたいなと思ったことは、片っ端からやりたいです。学生時代は、授業に課題にバイトに毎日忙しい気がしていましたが、今振り返ってみると「大学生って本当に時間があったんだなぁ」と感じます。韓国語に限らず、何かおもしろそうな資格を取ったり、海外旅行に行ったり、好きなイベントやボランティアに参加したりして、知識や経験やつながりを広げてみたいです。
また、他大学の学生とも交流を持ちたいです。私は大学1年生の時から「話してみよう韓国語」という韓国語スピーチコンテストの大学生実行委員会に所属していたのですが、先輩後輩みんなが異なる大学に所属していて、韓国語に関連しないことを学んでいる人も多かったので、とても刺激を受けました。もし、また大学生に戻れるとしたら、そういったコミュニティに積極的に参加したいと思います。
採用していただく際、韓国語での面接もあったのですが、うまく答えられず自信をなくしていました。さらに入社初日、採用者は自分一人で、新卒を採用するのも初めてだと知らされて、「なぜ採用していただけたんだろう?」と、さらに不安になっていました。
他の職員の方より少し年下だったこともあって、この1年は「教えてください!」のスタンスで行こうと気持ちを切り替え、とにかく吸収することを意識して過ごしてきました。みなさん本当に親切で、社会人1年目で右も左もわからない私に1から説明してくださって、本当に恵まれた環境で働かせていただいていると感じます。また、この1年間、お仕事で関わってきた日韓の高校生や大学生の交流に対する積極的な姿勢や、日本や韓国についてもっと学びたいという意欲的な姿を見てきて、「自分もさらに頑張っていきたい」と、刺激をもらえました。
1年目は、訪日団の引率を2人以上で担当しましたが、今後は1人で担当することも増えてくるので、事前説明会やオリエンテーションなどで笑いをとれるくらい、韓国語も学習し続けたいです。また、個人的には訪日団を引率してきて温泉にはまったので、温泉ソムリエの資格を取ってみたいです。
人との縁を大切にしたいです。業務の一環として学生の方々の自己紹介書を翻訳することがあるのですが、「この縁が続くように願っています」と書いてくれる方が多くいます。本当にその通りだなと感じていて、一度つながった縁は今後もずっと続いていき、いつかまたどこかで再会したり、つながる機会があったりすると信じているので、新しくつながった縁を大切にして、今後、自分に良い縁が返ってくると思って行動したいです。
自分次第でやりたいことが何でも叶う環境だと思います。先生方はもちろん、職員の方も親身になって相談に乗ってくださるので、そういった環境を存分に利用してほしいです。また、韓国語コースには「韓国語プロジェクト (韓国の国立仁川大学校とのオンライン共同プロジェクト)」のような独自のプロジェクトがあることも魅力だと思うので、ぜひ積極的に参加してほしいです。周りの人に「自分はこんなことを頑張ってきたんだ!」と言えるくらい一生懸命に取り組んだ経験があると、今後の自分の強みにもなり、糧になると思います。
どの大学に入学しても、「待ちの姿勢」では何も始まりません。自分からアクションを起こして、自分で自分を忙しくさせると、振り返った時に「充実していた」と感じられる大学生活を過ごせると思います。
また、学生時代の私は、何かを新しく始める時にはいつも不安な気持ちがあって、「やっぱりやめようかな」と思ってしまったり、「次の機会にしよう、また来年にしよう」と先延ばしにしてしまいがちでした。しかし、思いついた時に始めてしまうのがベストだと気づきました。今でも「始めるなら早いほうがいい、失敗するなら今のうちにしよう」をモットーに、挑戦をするようにしています。
もし、私と同じように先延ばしにしてしまいがちだったり、新しく何かに参加してみたりするのが億劫だな、不安だなと感じてしまう方がいたら、ぜひ「思いついた時が一番やる気がある時」ということを思い出して、挑戦してみてください。また、他の友達がやっていないことを経験すると自分の強みになるので、そういったものにアンテナを張って、学内外に限らず、経験のチャンスを掴んでほしいです。