ハンガリー研修
2024.09.11
センメルワイス大学病院第一小児科、および、国立Heim Pál小児病院を訪れ、新生児から小児のCPR(心肺蘇生法:Cardiopulmonary Resuscitation)についての講義を受け、シミュレーターを用いて小児のCPRの演習を行いました。
また、小児ICU(集中治療室:Intensive Care Unit)と新生児ICUでも研修を受け、さまざまな症例に触れる機会を得ました。その中には、胎児期に動脈管閉鎖が進行し、心肺が弱い状態で生まれた患児もおり、胎児期から小児に至るまでの特別な治療やケアの重要性を学びました。
講義を通して共通していたのは、「子どもは小さな大人ではない」という考え方です。中世のヨーロッパでは、子どもは単に体の小さな人間と見なされ、発達過程が医学的に認識されていませんでした。薬物療法においても、大人と同じ薬を単に少量にするだけの治療が行われていたことを知り、驚きました。
現代では、小児は年齢に応じて生体機能が大きく変化するため、それに基づいた薬物動態の特徴を考慮した治療が必要とされています。また、小児の心停止は成人とは異なり、心原性の突然の心停止ではなく、進行する呼吸不全や循環不全が主な原因であることが多いため、胸骨圧迫だけでなく、人工呼吸の重要性が成人よりも高いことを学びました。
シミュレーターを使った演習では、ペアで協力しながら胸骨圧迫とバッグバルブマスクを用いた人工呼吸を行いました。小児の小さな体に苦戦しつつも、先生方から貴重なアドバイスを受け、新生児から小児におけるCPRの理解を深める貴重な2日間となりました。
M.K
CPR実践練習の様子①
CPR実践練習の様子②
国立Heim Pál小児病院での集合写真