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ハンガリー研修 23日目①

ハンガリー研修

2025.09.10

9月8日(23日目)その1:小児救急について学ぶ

 小児救急に関する講義と病院での研修を通して、「トリアージ(緊急度・重症度によって患者を振り分けること)」や救急対応について理解を深めた。特に印象的だったのは、講師が強調された「子どもは大人の縮小版ではなく、まったく異なる存在である」という言葉である。小児は体格や循環、生理学的な特徴が大人と異なるため、子どもに合わせた対応が必要であることを改めて実感した。

 救急で用いられる「ABCDEシステム(Airway:気道、Breathing:呼吸、Circulation:循環、Disability:意識・神経の状態、Exposure/Environment:体表の観察や周囲環境の確認)」についても学んだ。通常はAから順に確認するが、小児は体温が下がりやすく、また周囲の危険や環境の影響を受けやすいため、環境(Environment)の安全確認を特に重視する必要がある。子どもは身体の状態だけでなく、取り巻く環境によって診療や経過が大きく左右されることを理解した。

 Heim Pál 小児病院では、小児ER(Emergency Room:救急外来)や院内のトリアージ体制について説明を受け、実際に気管チューブ(呼吸の通り道を確保する管)や酸素マスクを手に取りながら、その特徴を理解した。机上の知識だけでなく、実物を通して学ぶことで理解が深まった。

H.H