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航空・鉄道ビジネスの「人と仕事」を現場から学びました

学生たちの声

2024.09.21

8月28日から9月3日に開講された「観光ビジネス特別講座」では、交通ビジネスのうち航空と鉄道を対象に1年生から3年生の計12人の学生が空港、格納庫、駅、検車庫などさまざまな施設を見学しました。

この講座は「キャリア形成科目」の1つで、学生たちは観光ビジネスの現場を自分の目で見て、そこで働く人たちから直接話を伺うことを通じて仕事への理解を深めるとともに、今後の自分のキャリアを考える機会を提供することを目的としています。

初日の事前説明のレクチャーの後、3日間にわたって見学を行い、最終日は再び教室に戻ってグループワークを実施しました。グループワークでは3~4人のチームに分かれて見学の振り返りやこの貴重な経験をこれからどう活かすかといったテーマでディスカッションと発表を行い、相互に質問し合ってさらに学びを深めました。

見学1日目の成田空港、2日目の羽田空港について、学生たちの声をお伝えします。3日目は首都圏のある鉄道会社を訪問し、駅、車両基地、運転士養成施設などを見学するとともに、経営者から直接講話をしていただきましたが、通常はこうした見学を受け入れていない中での特段のご配慮による実施であったことから、記事と写真については割愛させていただきます。

この講座の実施にあたり多大なご協力をいただきました、日本航空、JALカーゴサービス、JALスカイ、JALグランドサービス、鉄道会社の皆さまに、この場を借り厚く御礼申し上げます。

《見学1日目:成田空港》
○ 観光学部3年 本間 咲弥
私たちは見学の1日目に、成田空港にある日本航空、JALカーゴサービス、JALスカイ、JALグランドサービスを見学させていただきました。午前中は、JALカーゴサービスを見学しました。ここでは航空貨物を取り扱っている様子を見せていただき、貨物を飛行機まで載せるための準備や、保管をしているところ直接見て学ばせていただくことができました。

航空貨物を輸送する上で、荷物にカバーを掛けたり、物によって管理の方法を変えたり、普段私たちが見えていない部分で工夫されていることを知ることができました。また、空輸で運ばれている貨物の特性や重要性についても学ぶことができました。

広大なJALカーゴサービスの貨物上屋(倉庫)を見学

午後は、JALスカイ、JALグランドサービス、日本航空のステーションコマンドセンターを見学しました。まず、JALスカイで行われている6つの業務、「カウンター業務、トラフィック業務、ラウンジ業務、デスク業務、手荷物サービス、ステーションオペレーション」について実際に空港の中を見学しながら学ばせていただきました。

カウンター業務では、「Face Express」といって、機械で登録すれば手荷物受託、保安検査、搭乗を顔パスでできるシステムがあることを初めて知りました。ただ、機械があってもスタッフの方が近くにいて、すぐサポートできる体制になっていたり、手荷物サービスでは、すぐに手荷物捜索ができる体制になっていたりなど、お客さまを第一に考えているところを、直接見させていただきました。

また、お客さまの目に見えない裏側のステーションコマンドセンターでは、飛行機の運航スケジュールを組んでいる人や、到着時刻を管理している人がおり、さまざまな面で飛行機が飛ぶことを支えてくれている人がいることを知りました。

JALグランドサービスでは、空港でのグランドハンドリング業務を見させていただきました。荷物の搭載、飛行機の誘導、客室の清掃・点検など、他にも地上で行う仕事をたくさん担っていました。私たちが預けた手荷物を実際にコンテナに積み込む様子や、飛行機が到着してから次のフライトまでの準備を間近で見させていただくことができました。手荷物が無くならないような工夫や、安全に時間通りに点検、準備をしていることを知ることができました。

今回の見学で、私たちがいつも安全に、時間通りに飛行機に乗れているのは、たくさんの人の陰での仕事がある上に成り立っているものだとよく知ることができました。これからはもっと感謝をして飛行機に乗りたいと思います。

また、1便の飛行機が飛ぶのにチームワークがとても大事だと知ることができたので、私も将来働く時にチームワークを大事にできる人でありたいと思いました。

JALスカイの方からいろいろな話を伺いました

《見学2日目:羽田空港①》
○ 観光学部1年 菊地 晴喜
見学2日目の午前中は、日本航空安全啓発センターへ行きました。1985年8月12日、日本航空は単独機として史上最悪の航空機事故(123便事故)を引き起こしました。520名が亡くなり、生存者が4名しかいないこの大事故で、日本航空の顧客からの信用は失墜しました。

この事故の前にも、7件ほどの大きな航空事故を引き起きしています。「航空の安全は、誰がやってくれたから大丈夫ではなく、誰がやっても確認することが大切です」との説明がありました。空の安全はいろいろな人々の連携で成り立っていることを感じられる言葉でした。

主に123便事故について現物と向き合うことで、飛行機とも関わりの深い観光業を学ぶものとして知っておかなければならない安全・安心について学びました。任せっきりにするのではなく自身でも再度確認を行うことで、より安心・安全な社会に繋げていけるのだと胸に刻みました。

日本航空では三現主義(現地・現物・現人)を大切に考えており、過去に起こしてしまった事故を忘れず、二度と繰り返さないと仰っていました。私は驚いたことがあります。日本航空に入社する新入社員の方は123便が墜落した御巣鷹の尾根に必ず登られるということ、そして安全啓発センターは日本航空の方はいつでも訪れて過去の事故を振り返ることが認められているということです。実際、私たちの見学中にも日本航空の方々も見学されていました。

また、日本航空の定めた安全憲章についても学ばせていただきました。その冒頭に「安全とは命を守ること」と書かれています。私は将来、航空業界に進みたいと考えています。安全啓発センターでは日本航空の安全に対する誓いを肌で感じることができました。私も日本航空のように安全とは命を守ることだということを忘れずに働きます。

《見学2日目:羽田空港②》
○ 観光学部1年  包 永康
今回、観光ビジネス特別講座でJAL SKY MUSEUMと格納庫の見学に参加し、航空業界の裏側を知ることができる貴重な体験をさせていただきました。見学2日目の午後に訪れたJAL SKY MUSEUMでは、JALの歴史やこれまでの挑戦について学びました。

特に、初代から続く客室乗務員の制服や、これまで運航していた飛行機の模型を見ながら、時代ごとに変化してきた航空サービスや安全への取り組みについて深く理解できました。

JAL SKY MUSEUMにて

その後、隣接する格納庫の見学では、実際に整備中の飛行機を間近で見ることができ、非常に迫力がありました。最も印象に残ったのは、整備士の方々が巨大な飛行機の細部まで丁寧に点検している姿です。飛行機の整備は日常的なものから長期にわたる大掛かりなものまであり、それぞれの工程が飛行機の安全な運航を支えていることを知りました。特に、エンジンや部品が取り外され、細かくチェックされている様子には圧倒されました。

普段、整備の仕事について考えることはあまりありませんでしたが、今回の見学で、整備士の仕事の大切さや、航空機の安全性を守るための努力を目の当たりにしました。お客さまからは見えないところでも多くの人たちが一丸となって運航を支えているということを実感し、飛行機に対する見方が大きく変わりました。

ボーイング777型機をバックに

将来、私は航空業界で働きたいと考えていますが、今回の見学を通じて、表に立つ仕事だけでなく、裏方の仕事にも関心を持つことが大切だと感じました。航空業界は、一つのフライトを成功させるために多くのプロフェッショナルが協力していることを学び、自分もその一員として貢献したいという思いが強まりました。この経験を大切にし、今後のキャリア形成に活かしていきたいと思います。