日本語指導が必要な児童への教育方法を助言 林教授が山武市の教諭対象に

地域連携

2022.04.08

ボールを使って、デモンストレーションを行う林千賀教授

林教授(中央)を囲み、外国籍児童への教育について語り合う参加者


千葉県山武市の小学校教諭らを対象に、日本語の理解が十分ではない外国籍児童への指導法をアドバイスする会を3月29日、千葉東金キャンパスで開きました。国際人文学部の林千賀教授が講師を務め、簡単な日本語でコミュニケーションできる方法やイラストを活用した指導法などを丁寧に説明しました。
 

本学千葉東金キャンパスのある東金市に隣接する山武市は、スリランカ国籍を持つ住民が急増しており、2018年の268名から21年には451名と、この3年間で約1.5倍に達しています。それに伴い、市内の小学校に入学するスリランカ人の児童も増えていますが、日本語習得レベルに格差があるため、学校側は対応に苦慮しているのが現状です。そこで日本語教授法を専門とする林教授に相談があり、今回の会が実現しました。
 

会に参加したのは教諭10名に加え、山武市教育委員会の委員2名、市役所の職員2名の計14名です。林教授はまず、自身が考案した人工言語「タラタラ語」で学習者の立場から、日本語を教えるとはどういうことか、体験型の授業をしました。そして、場面設定さえ正しく提示していれば、意味は通じるということを言語習得の観点から説明しました。
 

「お名前は?」「ペンを貸してください」などと、この日初めて耳にするタラタラ語で林教授に話しかけられ、参加者も始めはびっくりした様子でしたが、場面の状況や相手の動きと照らし合わせながら聞くうちに、少しずつ意味が理解できるようになり、終盤にはタラタラ語を使って、参加者同士でコミュニケーションが取れるまでになりました。「文法や語彙を学んでいないのに、皆さんはなぜタラタラ語が理解できたのでしょうか」と、林教授は参加者に問いかけ「言葉と行動が一緒になっていたからです。行動と一致していれば、大人も子供も言葉の意味がわかるはずです」と説明しました。さらに、幼児の母語習得に基づいた一つの教授法を紹介し、どのように絵教材や教具を使用して教えるのか、具体的な方法で説明しました。
 

参加者からは学校現場でのさまざまな具体的な事例を挙げての質問や意見が次々に寄せられ、予定時間を超えるほどの充実した会となりました。日本語習得など次のステップにおける指導方法についても、継続してサポートしていく予定です。