ハンガリー研修
2023.08.21
*センメルワイス大学での講義が始まり、健康科学部看護学科長のDr. BALOGH Zoltan(バローゾルタン先生)の講義ではハンガリーの救急医療の概略について、Dr. DOBOS Attila(ドボスアッティラ先生)からは、患者の背景にある文化によってケアの考え方は異なることを学びました。
・センメルワイス大学はハンガリーで最も古い大学で、250年の歴史があります。この大学は欧州でトップ3に入る大学で、世界ランキング(世界に約23,000校ある)でも200~250位に位置します。世の中で最も専門知識の高い人材の育成を目指し、100位以内に入ることを目指しています。そのため、他国で開発された技術もすぐに取り入れて、ハンガリーでも早期実用ができるように、基礎研究と臨床試験を大切にしています。この大学で、ハンガリーやEURの救急医療を学べることは貴重なことであり楽しみであると感じました。
・なぜ医療の学習でも、文化と社会について学ぶことが必要なのか?主にこのテーマについて学びを深めました。文化を文化として意識することは難しく、生活そのものが文化であり、考え方や捉え方もいる場所によって変化が生まれることがわかりました。
・例えば、有名なもので言うと、答えの出ない「トロッコ問題」です。選択を迫られている時の状況や事情も選択に左右されますが、その質問を母国語でされたときと、他国語でされたとき、違う回答を得られることがあると知りました。不思議に感じたが、これも文化の違いから得られた結果であると学びました。
・価値観の面では、ヨーロッパは個人主義であり、言語のまま受け取る曖昧さのない(Low context)コミュニケーションに対し、日本は集団主義であり、言語とそこに何か意味がある曖昧さが多いことを学びました(High context)。確かに、日本では言葉による説明が少なく、会話の際は表情の変化や声のトーン、体の動きなどの行間など、非言語的コミュニケーションを読むことが求められます。そのため、共通認識や文化的背景、知識、カルチャーを前提として会話が進められていることを実感しました。文化の違いの善し悪しではなく、異なる価値観がある中でどれだけわかり合えるかが大切であると考えました。
・日本にいるときは、生活の中にある文化を意識したことがありませんでした。しかし、ハンガリーに来て、数日。ハンガリーの社会・文化をたくさん実感しており、それと同時に日本の文化について思い返す場面が多々あります。海外にいるからこそ自らの経験による日本の文化について実感することができています。今はまだ始まったばかりですが、慣れてくるとまた違った視点に気づくことができるかもしれません。