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2023年度 ハンガリー研修 20日目

ハンガリー研修

2023.09.05

2023年度 ハンガリー研修 20日目 9月5日

「新生児・小児の救急看護のなぜ?」

 領域別に学んできた講義も残るは小児母子のみとなりました。今日から新生児・小児の救急についての実習が始まり、今日は主に小児の心肺蘇生(CPR: Cardiopulmonary resuscitation)について学びました。

 これまでも心肺蘇生法について学んできましたが、大人と子供ではガイドラインが異なるため、それぞれの手順をしっかり理解することが重要であると学びました。特に心臓マッサージは身長や体格に合わせてやり方が変わります。新生児は身体が小さいため、両手で心臓マッサージをするのではなく、片手やもっと小さい子だと指2本で圧迫します。圧迫方法の選択は、傷病者の体格だけでなく、実施者の体力や力の強さによっても変える必要があるため、状況に応じて判断する必要があります。心臓マッサージに加えて、手動で肺に空気を送る器具(バッグバルブマスク;BVM:人工呼吸と同じ役割を果たす)を使用する際も、一気に多くの酸素を与えすぎないように指の本数や力の強さ、ポンプを押す速度を調節する必要があるということを学びました。小児の心肺蘇生は成人とは異なり、15回の心臓マッサージに対して2回の人工呼吸を行います。(成人は30回の心臓マッサージに対して2回の人工呼吸)この理由としては、小児は体内を循環させるためにたくさんの酸素が必要であり、酸素を取り込む回数を多くしているためです。酸素を与えるマスクは口だけを覆うものと口と鼻を覆うものの二つがあり、実施に模型を使って酸素を与える練習をしました。以下の写真はその時の演習の様子です。
 ハンガリーでは心肺蘇生法は必ず学校で教えている訳ではなく、学びたい人が教わるそうで、学校で学ぶところは、上級生から下級生へ教える方法で、専門家はサポートに入るとのことでした。日本では進学するごとに実習を受けてきたため、よく教育されてきたのだと実感しました
 今日は、また乳幼児のICU(NICU)で見た遺伝的な疾患を学んだことで、心肺蘇生をより深く理解でき、考えることの重要性を学びました。

 少し早く実習が終わったため、午後はゲッレルート温泉に行きました。ハンガリーには有名な温泉がたくさんあり、ゲッレルート温泉もその一つです。中に入るとテルマエロマエの映画に出てくるような内装で、ヨーロッパの古風な趣がありました。お客さんの年齢層は高めで、人も多くなくゆっくり過ごせました。温度は36℃∼40℃と少しぬるめでした。
 部屋のお風呂は普段シャワーしかしないので日ごろの疲れを癒すことができたので実習後半も頑張ります。

小児・新生児救急演習の様子①

小児・新生児救急演習の様子②

小児・新生児救急演習の様子③