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2023年度 ハンガリー研修 12日目

ハンガリー研修

2023.08.28

2023年度 ハンガリー研修 12日目 8月28日

「呼吸器疾患と救命救急:ハンガリーでの学びと洞察」

 昨日(8/27)で世界陸上が終わり、街中の所々で柵やテントを撤去している様子を見ながらセンメルワイス大学病院に登校した。研修11日目となり、先週と比べるとブダペストの街の景色にも見慣れ、地下鉄をスムーズに乗り換えたりと交通機関も使いこなすことができているのではと感じている。

今日は、呼吸器系の疾患に関する講義と大学病院の救命室を見学した。ハンガリーの喫煙率は30%を越えており、街中を歩いていると至る所で喫煙している人々を見かける。喫煙は動脈を硬くしたり、気管支や肺に悪影響を及ぼしたりする。喫煙率の高さからも分かるようにCOPD( chronic obstructive pulmonary disease:慢性塞栓性肺疾患)や肺炎といった呼吸に関わる疾患をもつ人がハンガリーには多くいる。また、CHF(congestive heart failure:うっ血性心不全)という疾患について、COPDと同様に酸素を患者に投与することと、それに加えて薬物療法をしていくことなど治療方法についてレクチャーを受けた。COPDになり適切な治療を受けずにいると次第にCHFに移行する。COPDとCHFは肺と心臓の疾患であるが2つは大きく関係しているということを学んだ。

この大学病院では、搬送されてきた患者の症状やバイタルサインを確認し、状況から1~5段階でトリアージ(緊急度や重症度から治療の優先順位を決めること)が行われる。レベル1は最も症状が重く、直ちに手術や治療を必要としており、数字が1に近づくほど重症であることを表す。レベル1~2に分類された患者はトリアージルームの奥の部屋に運ばれて治療を受けており、その様子を一部見学することができた。私はコロナ禍の実習であったため救命室や集中治療室の様子を初めて見た。病院の看護師について日本との違いは、ハンガリーでは全員が働きながら1~2年で専門的な資格を取得することである。専門的なトレーニングを受けた救命室の看護師は、1つ1つの動作を丁寧かつ素早くこなしており、医師と看護師の見分けがつかないくらいであった。

救急車の利用について、日本では近年その利用方法が問題になっている。ハンガリーでも日本と同様に救急車をタクシーのような感覚で使う人もおり、救急車不足が問題となっていることが分かった。搬送の連絡を受けた後、急ぐ必要がなければ待ってもらうといった対応をとっている。日本とハンガリーでも同じような医療問題を抱えていることが分かり、ハンガリーならではの対応方法や日本で応用できることはないか、研修で学びながらさらに考えていきたい。

ルームメイトと食事の様子

世界陸上観戦

センメルワイス大学病院