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2023年度 ハンガリー研修 13日目

ハンガリー研修

2023.08.29

2023年度 ハンガリー研修 13日目 8月29日

「脳神経系と軍看護師の日常、心肺蘇生法について」

 本日は研修13日目。気温は21℃と冷え込んでおりハンガリーでは徐々に秋の訪れを感じている。先日と同様朝7時45分にホテルを出発し軍事病院(Military Hospital)へと向かった。

 今日は先日の呼吸器系が終わり脳神経系の講義を受けた。まず1限目は脳卒中(脳の血管が詰まったり破れたりして、脳の一部が酸素不足になる病気)についての講義であった。脳卒中の症状や脳梗塞を判断できるStroke Scaleについて、検査・診断についての内容のレクチャーを受けた。また、ハンガリーではよく居酒屋で倒れる人が多いことからお店の人は脳卒中に対しての症状をよく知っており対応ができる方が多い。脳卒中は早期対応が求められるため、日本でもお店の人、そして国民1人1人が正しい対応ができるよう教育が大切であると感じた。脳出血の場合は早い段階で検査で見つけることができるが梗塞の場合はすぐにはわからない。CTでは2分で検査することができるが症状が新しければ何も見えない、MRIでは30分程かかり時間がないとできないことなど緊急時における検査方法についても学んだ。また、ピルを飲んでいて喫煙者であると血栓になりやすく若い女性は特に気をけるべき点である。また血栓溶解療法では出血傾向になりやすいため癌に罹患している方、妊娠中の方には禁忌である。また、脳卒中のかたは鼻や口から臭い(生理中の臭いに近い)がするため気づくきっかけにもなるだろう。

 2限目は脳神経外科の病棟の見学だった。脳卒中の専門看護師が常在し、12時間制度のシフト制であった。病棟内や看護ケアは日本と似ている点が多かった。部屋の中は薄暗く日本に比べて照度は低い印象であった。またハンガリーでは看護師のいる場所にモニターがなく悪化した場合直ぐに対応できるよう1人1人のベッドにカーテンはしていなかった。意識がある人や気にされる方はプライバシーの保護に注意しているらしく日本とハンガリーとでの社会や文化の違いを知ることができた。また、自己効力を高める点に関しては日本の医療と同様に行われていた。

 3限目はアフガニスタンに派遣された軍看護師の日常の動画視聴、CPR(Cardiopulmonary resuscitation:心肺蘇生)のレクチャーであった。アフガニスタンの動画視聴では人工呼吸器を装着している手術の様子も見られた。険しい様子の一方ギターを弾いたり、楽しそうに笑う姿も見られ看護師は6ヵ月、医師は3か月派遣されている。今では派遣は行われていないそうだ。

 CPRのレクチャーではまず講師の方の見本を見ながら人形を用いて30:2で胸骨圧迫、人工呼吸を行った。災害看護演習を履修していた学生は手慣れた様子で行っており声掛けを行いながら正確にCPRの仕方を学ぶことができた。

 今回は脳神経系、また軍事病院ならではの軍看護師の様子など学ぶことができた。日本では中々見れることができない内容になっておりとても貴重な経験となった1日であった。

 

心肺蘇生法の様子①

心肺蘇生法の様子②