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2023年度 ハンガリー研修 27日目

ハンガリー研修

2023.09.12

2023年度 ハンガリー研修 27日目 9月12日

救急救命室(ER)での研修とセンメルワイス大学外傷外科センター訪問

 本日は小グループでの研修の3日目で、私のグループはERでの研修であった。ERの中では、さらに二人ずつになって、ERに運び込まれてきた患者をまず観るところ、処置室、ERに運び込まれてすぐと回復を観る部屋で研修を行った。私は救急車で運ばれてすぐに入る部屋であった。

 室内には5名ほど患者がおり、私が説明していただいた患者さんは昨日から意識が戻っていない方であった。心電図と共に人工呼吸器、栄養補給のための点滴、膀胱カテーテルがつけられていた。おむつ交換時にはカテーテルからの出血が見られたもののERの目的として患者さんの意識を戻すことが最前線であるため特に処置しないことに驚いた。脳死が考えられていたことから見学時から2,3時間ほどの観察後に脳死かどうかの判断をおこなうと教えていただいた。見学時間内にどのような判定が下されたのか知ることはできなかった。

 次の患者さんは心肺停止状態で運ばれてきたため心臓マッサージと人工呼吸がおこなわれた。心臓マッサージをさせていただき一度は戻ってきたものの意識は戻らずその後亡くなってしまった。実際の人間に心臓マッサージをおこなったことが初めてであったため速度や回数を数えることに精一杯になってしまうことにや思っていたよりも深く胸が沈むことに驚いた。また自分の手で命を取り戻そうとしたのにもかかわらず亡くなってしまったことに悲しみを隠せなかった。

 最後に、骨髄穿刺を見せていただいた。背筋の曲がり具合によって髄液が出にくいことを学んだ。麻酔を打つことにより穿刺する際の痛みは感じないようだが針が骨に当たることにより刺激を感じることもまた学びとなった。細かい学びとしては、看護師の針の渡し方や滅菌手袋の付け方について改めて学ぶことができた。

 午後には、センメルワイス大学外傷外科センター で病棟やリハビリについて、見学と話を聞いた。病棟は比較的新しく感じた。壁は白く外からの光が入り清潔感が感じられた。

 リハビリへの拒否があった際にはどうするのかという質問に対しては、自宅へ帰す判断や通いでのリハビリなど患者さんのニーズに寄り添ったリハビリ環境を提供しているとのことであった。患者に応じた目標設定をして、楽しさを優先させている病棟で明るさをモットーとしているのもハンガリーの病院の特徴と感じた。

 最後に忙しい中、講義や施設見学をとても丁寧かつ親切にして頂いた看護部長並びにER室看護師、医師の方に感謝を述べ、ハンガリー研修27日目の研修記事とさせて頂きます。