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2024年度 ハンガリー研修 10~11日目

ハンガリー研修

2024.09.01

【研修10~11日目】 ER(救急救命室)での学び/助産シミュレーションでの学び

 ERでの研修前に、ERやICUで必須である呼吸器系の動態についても学びました。臓器ごとの酸素消費量が異なることや、PaO₂(動脈血酸素分圧)の低下が組織血流や貧血に与える影響について理解を深めました。低酸素症の兆候を覚えるために、「RAT BED」(Restlessness: 安静困難、Agitation: 不穏、Tachycardia: 頻脈、Bradycardia: 徐脈、Extreme fatigue: 極度の不安、Dyspnea: 呼吸困難)を学び、臨床現場で看護師として患者を観察する際に、適切に対応できるよう準備をしておきたいと感じました。また、酸素投与に際しては、高酸素血症や過換気による呼吸性アルカローシスに注意する必要があり、過呼吸や錯乱、頻脈、近痙攣などの症状を注意深く観察することが重要であると学びました。

 その後、ERでは多くの患者が来院するため、トリアージによる優先順位の決定が重要であることを学びました。トリアージとは、患者の緊急度や治療の優先順位を判断するプロセスで、緊急性が高い患者から順に対応することが求められます。トリアージ後には治療方針が決定され、感染予防のための個室利用や身体拘束のガイドライン遵守の重要性についても学びました。ERのICU・観察室では、急な容態の悪化がいつでも起こり得るという認識を持ち、看護師として基本的なスキルだけでなく、様々な分野にわたる知識や技術が必要であること、そして日々新しいことを学ぶ意欲や集中力、患者の精神的ケアのスキル、自身の精神的強さが求められることを理解しました。

 また、助産師の先生とのディスカッションを通じて、分娩の経過をシミュレーターで演習し、学びを深めました。ハンガリーでは、日本と同様に母体と児の愛着形成が重要視されており、分娩後2時間はスキンコンタクトを最優先することが重視されています。愛着形成が子供の発達に与える影響は大きく、親子が健やかに暮らすために、この点がどの国でも重要視されていることを改めて感じました。

M.T

モデルを用いて胎児の心拍数を聴診

 

講義の様子①

分娩のシミュレーター

 

講義の様子②