ハンガリー研修
2024.09.09
センメルヴェイス大学附属病院の心血管センターでは、心血管系の疾患や治療について講義が行われました。講義後には手術室や検査室を見学し、造影画像を観ながらステントグラフトの挿入手術の様子を見学しました。ステントグラフトは、動脈に取り付けられたグラフト(人工血管)で、カテーテルを通じて体内に挿入し、血管の狭窄や動脈瘤を治療する方法です。これにより、開腹手術に比べて侵襲が少なく、患者の負担を軽減し、回復も早いという利点があります。
続いて、同じセンメルヴェイス大学附属病院の外傷センターで麻酔科についての講義を受けた後、病棟の見学を行いました。この病院は116年前に建設された歴史ある施設で、現在は膵臓、肝臓、腎臓の移植も行っています。建設当時のステンドグラスや手すり、かつて使用されていた手術器具などが展示されており、医学の進化を感じることができました。また、かつて医学生が実際の手術を観覧するために使用されていた教育用の教室も見学しました。
その後、健康科学部で行われた術後の疼痛管理と内分泌・代謝についての講義では、低血糖が糖尿病治療中の方に高頻度で見られるものであり、インスリン分泌の低下や拮抗ホルモンの分泌抑制が原因で健康な人に比べ低血糖を引き起こしやすいことを学びました。さらに、術後の疼痛管理においては痛みのスケールを用いて痛みの程度を評価し、その結果に基づいて鎮痛方法を判断することの重要性も学びました。
M.F