ハンガリー研修
2024.09.23
緊急救命室(ER)では、ACG(Adjusted Clinical Groups)に基づいて、血圧測定や採血などの基本的な検査が行われることを学びました。これは、患者の健康状態やリスクを評価するための一環です。また、メインナースの役割は、病院全体の管理を行い、医師との連携や役割分担を調整することです。ERでは、医師と看護師が連携して働いており、医師はPCでカルテを作成し、鼻指試験(患者が目を閉じた状態で指を鼻に正確に触れることができるかを確認する検査)や起立時のふらつきの診察を行います。一方、看護師はバイタルサインの変動や看護に関する情報を紙のカルテに記録し、患者の状態を確認しています。これにより、ERでの業務内容や評価方法、チーム医療について深く理解することができました。
ハイブリッド手術室では、手術中にエックス線などの画像診断を同時に行うことができるため、手術の精度を高めることができます。特に、大動脈弁狭窄症の治療においては、経カテーテル大動脈弁置換術(Transcatheter Aortic Valve Replacement: TAVR)が行われ、これは開胸手術に比べて回復が早く、リスクが低いため、高齢者に適した治療法です。また、心臓移植においても、移植前に抗生物質を使用し、移植後は感染リスクを慎重に管理する必要があることを学びました。
カテーテルラボでは、冠動脈疾患の診断や治療が行われており、胸痛の患者に対して心エコーや造影検査が実施されました。侵襲的血圧モニタリングという方法を用いて、手術中や重症患者の血圧を常時監視し、調整が行われていました。血管に直接針を刺して血圧の動態を監視する方法は、日本ではあまり見られないため、新たな循環サポートの手法として理解を深めることができました。
麻酔については、プロポフォールが全身麻酔や鎮静に使用され、フェンタニルが強力な鎮痛剤として手術や集中治療で使用されていることを学びました。また、救急隊が患者を病室に移送し、看護師の負担を軽減することで、看護師不足を支えるチーム医療の重要な要素となっていることも理解しました。
小グループの活動では、得られる情報はそれぞれ異なるため、多角的な視点での理解が得られることも分かりました。ハンガリーの医療体制やチーム医療を通じて、日本の少子高齢化や看護師不足の現状にも共通する課題についての洞察を得ることができ、医療においてもグローバルな視点の重要性を強く感じました。
N.K