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ハンガリー研修 16日目

ハンガリー研修

2025.09.01

9月1日(16日目):心血管センターでの学びと国会議事堂見学

 本日は午前に、センメルワイス大学病院の心血管センターで講義を受けました。このセンターは、ハンガリーで唯一心臓移植を行うことができる施設であり、年間で約35~40件の心臓移植、35~40件の体外循環補助装置(血液の流れを人工的に助ける装置)を使った手術、そして8~10件の永久人工心臓植え込み(体内に人工の心臓を入れて働きを補う手術)が行われています。日本全体での心臓移植件数は2023年度で約115件であり、一つの病院で日本の約3分の1にあたる数を担っていることから、この病院が極めて重要な役割を果たしていることがわかりました。

 私たちは心臓血管集中治療室(心臓の大きな手術を受けた人が集中的に治療を受ける病室)と、VAD(Ventricular Assist Device:心室補助装置)集中治療室を見学しました。その中で医師が「ドップラー装置(超音波を使って血液の流れの速さや方向を調べる機械)」を用いて血流の様子を示してくださり、どのように診断や治療に役立てられているのかを理解することができました。移植後の患者さんは免疫抑制剤(移植した心臓を体が拒絶しないように免疫の働きを抑える薬)を服薬しているため、病気にかかりやすく、薬の管理や感染予防がとても重要であることも学びました。

 また印象的だったのは、外来診察のときに医師以外のスタッフがカルテ(診察記録)を入力していたことです。日本では医師が自分で記録を入力するため、患者と話す時間が減ってしまうことがありますが、ハンガリーでは医師が患者とより長く向き合えるよう工夫されていました。

 午後には国会議事堂を見学しました。内部は大理石やステンドグラス、天井画などで飾られ、非常に豪華で圧倒されました。国宝である聖王冠も見ることができましたが、撮影は禁止で、護衛がすぐそばに立つほど厳重に守られていました。冠の上の十字架が傾いているのも特徴的で、もともとはまっすぐだったとされますが、いつ傾いたのかは今も研究者の間で議論が続いているそうです。

R.S

センメルワイス大学病院

センメルワイス大学病院の見学

センメルワイス大学病院の講義

ハンガリーの国会議事堂

ハンガリーの国会議事堂の中の様子