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ハンガリー研修 29ー30日目

ハンガリー研修

2025.09.16

9月13–14日(29–30日目):ブダペストとウィーン――歴史と文化を比較する意義

 研修の一環として、ハンガリーの首都ブダペストからオーストリアの首都ウィーンを訪れました。両都市は電車で数時間と近接していますが、その歴史と現在の姿には大きな違いがあります。

 19世紀後半には「オーストリア=ハンガリー二重帝国」として同じ歴史を歩み、建築や広場には共通の帝国時代の影響が残っています。しかし、第二次世界大戦後にその歩みは分かれました。ウィーンは西側諸国との結びつきを深め、国際的な文化都市として発展。一方ブダペストは社会主義体制下に置かれ、政治や経済の制約を受けながらも独自の文化を育んできました。同じ出発点を持ちながら、戦後から両都市の姿に差が現れてきたことを実際に体感することができました。

 最初に訪れたのは、シェーンブルン宮殿です。ハプスブルク家の夏の離宮であり、絢爛な宮廷文化とヨーロッパの栄華を象徴する建築に学生たちは圧倒されました。広大な庭園を歩きながら、「帝国の豊かさ」と「ブダペストで見た質実な建築」との対比を肌で感じ取っていました。

 その後は、学生たちが思い思いにウィーンの街を楽しみました。美術史博物館で名画を鑑賞するグループ、街並みを散策しカフェ文化を味わうグループ、音楽の都らしく演奏会に足を運んだ学生もいました。個々の体験を通して「同じヨーロッパでも西と東では空気が違う」「社会制度や福祉の姿も歴史の影響を受けている」といった感想が交わされ、街歩きがそのまま学びにつながっていました。
 この訪問は、単なる観光ではなく、ヨーロッパの歴史的分岐と現在の多様性を理解する貴重な機会となりました。

 

MKi、MKa