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観光ゼミナール 地域活性化を止めない ~観光まちづくりの実践~ vol.03 【森の小学校 四方木探検隊~オーロラを見つけよう】① ~企画の始まりから準備まで~

ゼミ活動

2020.09.10

観光ゼミナール 地域活性化を止めない~観光まちづくりの実践~ vol.03 【森の小学校 四方木探検隊~オーロラを見つけよう】① ~企画の始まりから準備まで~

 四方木地区では年間を通じて地域の魅力を活かす活動を行っています。その目的は、地域の魅力を体感してもらい、地域のファンになってもらうこと、そして地域でのライフスタイルに魅力を感じてもらい、そこでの生活を考えてもらうことです。

 私たち内山・金子ゼミでは、四方木地区の活動に協力しています。そして、この活動を通じて、地域の方々との交流を深めることもできました。

 今年のゼミ活動は、春学期期間中はオンライン授業のみであったため、なかなか地域での視察や実働ができませんでしたが、8月にイベント開催できるように協議を重ねてきました。そして、「森の小学校 四方木探検隊~オーロラをみつけよう」という企画案を作成しました。その一方で、現在のコロナ禍の状況をふまえて募集型イベントを開催することについての是非についても話し合い、結論として、募集型イベントとしては開催しないことを確認しています。それでも、計画してきたことを四方木地区の方々の前で発表し、地区の方々との話し合いを経て、企画内容を実施し、その様子を撮影して地域の魅力発信として活用していくことに目標をシフトしました。

 8月に入ってからは、コロナウィルス感染対策に気をつけながら、四方木地区での調査や活動を行い、8月29日の企画実演に向けての準備を進めました。8月1日には、今回のメイン企画である「屋外スクリーン」設置の作業を行いました。高さ6mほどの大木2本をチェーンソーで伐採し、企画実演会場となる「紅の里」にスクリーンの支柱として埋め建てました。私たち学生は地区の方々のサポートをしただけですが、その様子はまさに圧巻です。森林の中にぽっかりと開いた空き地に2本の支柱がそびえ立ったのです。この支柱にスクリーンを張ったらと思うと、壮観な光景が目に浮かびます。

 企画実演の前日には、今回のメイン企画の一つである「10m流しそうめん」の準備を行いました。8月前半は猛暑が続いており、海岸部よりも比較的気温が低いはずの四方木地区でも、暑さに負けそうになります。それでも流しそうめんの準備をすることで、涼やかな気持ちになりました。そして、紅の里の立木にスクリーンを張り、翌日の企画実演を迎えます。

(白藤・松本)


四方木地区での打ち合わせの様子


【学生の声】

観光学部3年 張 嘉睿さん

私は、今回のイベントで、「家庭科」と「工作」の授業カリキュラムを作成し運営する担当者となりました。当日の運営では、お客様に提供するために素麺を盛り付けたり、コースターの試作を行いました。参加者は一人もいませんでしたが、充実した一日を過ごすことができました。とくに前日の準備段階で、私は、高い気温のなか熱中症になりましたが、地元の方がとても心配してくれ、イベント当日にかき氷マシンと飲み物二箱を提供してくれました。心から感謝申し上げます。

 また、このゼミでの1年間を通して、四方木地域で定期的に行われる色々なイベントに参加させてもらいました。去年秋の台風―地域振興活動、城西国際大学の学園祭など、四方木地域と様々なかたちで繋がってきました。そして、1年間を通して、昨年度の竹ランタンの制作や今回の流しそうめん用の道具作りなどを介し、竹に関する知識をたくさん体験学習しました。私の母国である中国にも地域と大学の連携教育はあるのですが、それに比べたら日本の方がずっと楽しく、勉強に集中するのではなく地域とのコミュニケーションを実際に体験できるので、とても楽しかったです。


紅の里にそびえ立つスクリーンの支柱


観光学部3年 白藤 直人さん

 今年は新型コロナウイルスの影響でイレギュラーな授業であったため、正直不安だらけでした。しかし、このゼミは学生の自己満足な活動ではなく、地域とゼミの連携授業であり生半可な気持ちではできないなという考えが頭にありました。

 将来的に四方木地区への移住者を増やしていきたい。そのために「何ができるのか?」、それを必死で考えました。企画の打ち合わせ段階では、紅の里にキャンプ場として必要な設備を自分たちで作ろうといったユニークな案が多く出て、話し合いは活発化していきました。しかし、議論が深まる一方で、アイディアが煮詰まったり、お互いの意見が噛み合わずに苦労したこともありました。それは、地域の活性化と私たちの企画を結びつけること、さらには持続的な活動を目指すことといった、議論が深まるからこそ越えなくてはならないテーマが見えてきたことによる難しさだったのかもしれません。

 私は、今回、ゼミリーダーという立場であったのですが、ゼミ活動を通して気をつけてきたことがあります。それは、ゼミ生全員から意見を出してもらうようにすること、特に本音の部分を聞き出し、話し合いの結果に本当に納得してもらうことです。すべての本音を聞き出すことができたのかはわかりませんが、企画実演が終わった時にゼミメンバーのみんなの笑顔が見られたときは、私自身の思いは伝わっていたのだと感じ、嬉しくてたまりませんでした。ゼミを通して、地域振興の難しさを学ぶとともに、リーダーシップという自身の課題に真剣に向き合えたことは大きな経験となりました。


企画実演の前日にスクリーンを張りました


観光学部3年 松本 啓吾さん

 コロナウイルスの影響で、通常とは違う授業の仕方やゼミのみんなに会えない状況、四方木に出向くことも難しいといったことが続き、どのように取り組んでいけば良いのか予想もつかずに不安が大きい日々でした。ただ、準備段階やプレイベントで、実際に四方木地区の方々と話したりお会いしたりすることができ、「ここはこうしたほうがいい」などの貴重な意見をいただき、イベントに対するイメージを描くことができるようになりました。

 言葉としては、「地域活性」と簡単に口にすることはできますが、実際にその意味を考え、具体的な活動として形にしていくためには、その地域の特徴を知るとともに、地区の住民との交流の中で形作っていくものだとも感じました。今回はイベントの実施でしたが、いざ取り掛かってみると、様々なことに配慮しなければならないことも実感しました。しかし、その反面やりがいのあることだとも感じています。


流しそうめんのための竹の器を製作中


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