ゼミ活動
2020.10.09
【理科の時間~オーロラを描こう!~】
「森の小学校」の最後の時間は、理科の時間です。この理科の時間は、今回のイベントのタイトルを「オーロラを見つけよう」としたように、メイン企画として準備してきました。
その始まりは、「巨大スクリーンに日本では見ることができないオーロラを描くことができたら面白いのではないか?」という意見からでした。そして、四方木地区という自然の魅力が溢れた土地で、デジタル技術を活用した企画を実施することで、今までにないイベントになるのではないかという期待もありました。
巨大スクリーンは、前々回の記事(vol.05)にもあるように、伐採した檜と杉をそれぞれ1本ずつ支柱にした贅沢で、圧倒されるようなスクリーンです。そして、このスクリーンは、夜の風景にマッチングするように、紅の里の背景を利用して配置しています。昼間は、白いスクリーンの背景に青空と木々の緑が映り込み、夜には星空が写るように設置しました。もっとも、企画実施の当日は、「星」ではなく「月」が木々の隙間から顔をのぞかせるという絶好の景観でした。
そのような環境で「オーロラを描く」ことは、とても不思議な体験であったと思います。今回オーロラを描いたのは、家庭用ゲーム機の「VRお絵かきソフト」です。室内対応の機材での実施ではありましたが、巨大スクリーンに映し出された「VRオーロラ」は、雄大な自然とデジタル技術の融合の可能性を考える機会にもなりました。この巨大スクリーンやVR技術などは、今後も発展的に活用できるものと思います。
ところで、四方木地区の8月は、理科の時間にとって2つの課題が生じました。一つは暗くなる時間です。これはある程度予測していたことですが、17時30分を過ぎると急激に周辺が暗くなり始め、月明かりはあるものの、手元の作業が難しくなった点です。もう一点は、水辺の近くであり、靄が発生したという点です。VR機材は室内用ということもあり、夜露に濡れて故障してしまわないかとの心配もありました。このような課題も、実際に企画実演をしたことでわかったことです。実際に現場で実行することで、予想していたこと以上の成果や可能性、課題にも気づくことができました。
今後のゼミ活動では、「森の小学校」の記録映像を編集するなどしながら、現場体験を振り返りたいと考えています。そして、この活動が四方木地区の活性化にどのように貢献していくのか、私たち学生が地域に関わることの意味や、集落が活性化していくことの意味などを改めて考えていきたいと思います。
担当:高橋(駿斗)
【学生の声】
観光学部3年 髙橋駿斗さん
今年度は、オンライン授業のため、今までのような対面授業とは異なる話し合いという難しさがありました。議論の中で、意見が行き詰まることもありました。それでも、意見がまとまり、企画内容が決定していくと達成感を得ることができます。企画内容が決定し、8月になってようやく現場での準備が始まりだすと、木の伐採や運搬、竹割りや散策など、初めて経験することばかりでした。特に巨大スクリーンの支柱づくりのために木を伐採したこと、その木を軽トラックで運ぶ作業など、ゼミ生みんなで木屑にまみれて作業に協力したことは、「現場での活動」そして「地域の活性化」という言葉の一部を現実的に体験したという意味で、思い出に残る場面でした。
私は、イベントの記録を担当する撮影班の役割がありました。今まで、映像撮影などに携わってこなかったのですが、どのように写るのだろうか、どのように撮影すればイベントの様子が伝わるのだろうかと考えながら撮影は、今までにない経験でした。それでも、皆が真剣に竹を割っている姿や、楽しそうな流しそうめんの様子、スクリーンに映し出されたV Rオーロラなどの映像を記録に残すことができました。
この活動を通じて、四方木の魅力、地域の魅力を改めて感じたところです。だからこそ、地区に関わった私たちが、四方木地区の広報係となって、この地域の魅力を発信していきたいと思います。
観光学部3年 丸山 ケン太
今回のイベントで、自分自身のVR機器一式を準備させて頂きました。使用したのは家庭用ゲーム機用の機器だった為、屋外の大きなスクリーンに映し出すには、モーションセンサーや稼働範囲での脆さが出ました。ただし使用したソフトが今回、自前にアップデートデーターを入れておくことによりオフラインで機動できたことは大きかったと思います。
屋外での室内機器の使用は、やはり課題もありました。イベント会場では、夏の気温と湿気で霧が予想より早く発生してしまったため、旧型の機器では接続ケーブルの多さなどもあり、撤収までに時間がかかってしまいました。
それでも、オーロラを描くとまではいかないまでも、自然の中で、デジタル映像の絵を描くことができたのは、大きな成果だったのではないかと思っています。この機会を通じて、自然とデジタルの融合には課題もあると感じましたが、その可能性も感じることができました。