トピック
2025.04.11
日韓協働ゼミ (中川正臣ゼミ) では、2021年から日韓につながる子どもたちと韓国語や日本語をつなぐ学習支援活動を行っています。近年は日韓親子サークル「きりんの会」にゼミ生が定期的に参画し、継承韓国語コミュニティにおける支援活動をしています。
2024年11月30日には日韓協働ゼミ、きりんの会、駐日韓国大使館韓国文化院の共催で、韓国文化院 (東京都新宿区) において「サンタさんにとどけ!ねがいごとツリー」のイベントを開催しました。このイベントを通じてゼミ生たちからは自らの学びの実感や達成感の声が聞かれました。と同時に「このような国際交流の場は首都圏以外でもあるべきではないか」「地方で子どもたちと韓国語をつなる活動をしたい」という意見も挙がりました。
そこで今回は、福島県双葉郡川内村の村役場や川内村立小中学園と共催し、2025年3月17日に川内村コミュニティハウスにじいろ (川内村立小中学園の学童保育) に通う小学生約50名を対象に韓国語学習支援活動をすることにしました。2024年10月に日韓協働ゼミ有志でプロジェクトを立ち上げ、川内村コミュニティハウスにじいろとの打ち合わせや事前アンケートを重ね、川内村の子どもたちについて理解を深めていきました。
イベント当日は韓国に関するクイズ形式の紹介やデジタル紙芝居の読み聞かせ、さらにはハングルカードを利用した「韓国語で自己紹介」の活動をし、大変にぎやかで、意味のあるイベントになりました。
デジタル紙芝居で読み聞かせをするゼミ生
ハングルカードを書く子どもたち
一方、今回、川内村においてゼミ合宿を行ったことにはもう一つの理由がありました。それは、ゼミ生が川内村や子どもたちの背景を学ぶことです。
川内村は2011年3月に起きた東日本大震災による原発事故の影響で全村民が避難しました。2016年6月に避難指示が解除になったものの、いまだ全村民が戻ったわけではありません。また、村の子どもたちは中学校を卒業すると同時に郡山市やいわき市などの高校へと進学するため、「村に高校生と大学生がいない」という地域的な特性があります。ゼミ生はこうした川内村や子どもたちの背景について、遠藤雄幸村長の講話やフィールドワークを通じて学び、自らが実践することばの活動の意味や韓国語を専攻する者としての社会的役割について認識することになりました。ゼミ生たちが今後も川内村でのことばの活動を継続し、後輩たちにも実践してほしいと語ったことが印象的でした。
日韓協働ゼミでは今後も首都圏のみならず、地域においても「子どもとことばをつなぐプロジェクト」を行い、地域社会に貢献していきたいと思います。また、川内村での活動も継続していきます。
遠藤雄幸村長の講話に耳を傾けるゼミ生たち
お世話になった旅館小松屋さん
※このプロジェクトの様子は2025年3月6日千葉テレビ「NEWSチバ930」と3月11日千葉テレビ、テレビ埼玉、テレビ神奈川「モーニングこんぱす」において特集として放送されました。
※学生が制作した本プロジェクトに関する動画