アモルファス金属・金属ガラスの応用は、世界的に急速な拡大期を迎えている。日本は50年以上前に基礎研究を開始し、バルク金属ガラス分野を創始したが、大規模市場への展開は海外が先行し、現在では数千億円規模、将来は数兆円規模の市場が予測されている。バルク金属ガラスはその特性(低エネルギー消費合金溶解性、高精密鋳造性・高表面平滑性、高強度・高耐食性・高 摩耗性、優れた軟磁気特性)により、スマートフォン・スマートウォッチ・電気自動車・宇宙・航空・造船・家庭電気分野などで実用化が進んでいる。
これらの材料は、日本が世界に先駆けて開発した技術であり、今こそ産業化を加速し、日本発の高機能材料として再び世界市場に展開することが求められている。本機構は、基礎研究の成果を応用・産業化へと結びつけ、人類社会の発展に貢献する国際的拠点を目指すものである。
海外では日本の研究成果を基盤に、大量応用が進み、巨大市場を形成している。しかしながら、日本では政府支援により多くの基礎研究成果が得られたが、大規模市場への展開は限定的である。今後、情報通信機器、電気自動車、再生可能エネルギー分野などで爆発的な需要増加が予測される中で、国内における拠点・基盤が不可欠である。日本の経済強化に少しでも貢献したい意図をもって、より高度な応用研究と実用化の目標を掲げて、本機構を創始するものである。
本機構は、次の3チームで構成される。
⑴新金属ガラス応用研究開発チーム
AIによる新規合金開発:高価なジルコニウムを低コスト元素に置換
超高磁束密度軟磁性薄帯技術:2T級を目指し、モーター鉄心へ応用
脱合金法による新規磁性材料開発
超急冷微細磁性粉末作製技術の開発
積層造形法による微小多孔質バルク金属作製技術の開発
⑵国際共同研究交流促進チーム
海外研究機関との連携による共同研究を推進し、早期実用化
⑶国際教育交流促進チーム
大学の国際交流方針に基づき、海外研究者との交流を通じて国際共同教育を促進
日本発の高機能材料の再産業化
情報通信・輸送・エネルギー分野での新市場創出
国際共同研究・教育によるグローバルな技術発展
・設置場所
本学イノベーションベース
・機構長
井上明久特別栄誉教授(バルク金属ガラス分野の創始者)