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2023年度 ハンガリー研修 7日目

ハンガリー研修

2023.08.23

2023年度 ハンガリー研修 7日目 8月23日

センメルワイス大学の救急救命部の副部長であるDr. Gaál Szabolcs(ガールシャボルクス先生)の講義は大変印象的でした。

POCT(point of care testing)とスコアの話。

 講義内容は、POCTとスコアでした。POCT(point of care testing)とは、迅速に(10分以内)に、診断・治療に有益な情報を得る検査のことです。 科学技術の発展ととともに診断技術も向上しています。それらを医療従事者が迅速に検査を行い、患者中心の医療提供につなげることの重要性を学びました。例えばパルスオキシメーターやスパイメトリーなどがあります。それらを、特に緊急時には、傷病者に応じて、適切な検査を実施し、迅速かつ確実な処置に結びつけることが求められます。

 緊急時の救命では、第一に「A B C D Eアプローチ」(A気道確保、B呼吸有無、C血液循環の有無、D意識レベルの確認、Eと外表・体温)です。次に、大切にするべきこととして、コミュニケーションが挙げられます。講師は「医療者は多くの時間を1人の患者に与えることはできないため、短時間で十分なものを提供する」と話されていました(1時間に100の決定をしているという文献もある)。看護師は、小さな積み重ねで変化に気づけることが求められている点から考えると、チーム医療では広い視野でコミュニケーションのあり方を考えられていると納得することができました。また、日本の看護の講義では、コミュニケーションは「傾聴」「共感」「態度」など、姿勢に注目したものを学びました。さらに、先生は「S B A R(エスバー)」というコミュニケーションのあり方を教えてくださりました。SBARは「Situation(状況)=起こっている事柄と状況」「Background(背景)=患者に関すること」「Assessment(アセスメント)=実際に患者の対応をした看護師の見解」「Recommendation(提案)=看護師としての要望や提案」であることを学びました。

 この講義の中で一番疑問に思ったことは、スコアシステムの話です。POCTでは、スコアシステムを取り入れており、意識レベルを図るJ C SやG C Sと同じように数字で治療の導入度や方法を判定するものです。疑問に思った点は、トリアージとスコアはどのような相違点があるのか、先生に質問をすると、トリアージはスコアシステムの中の一つであり、緊急時に大まかな判断と処置をするものであるが、スコアは総合的に判断をして治療方針を決定していくものであると学ぶことができました。

・講義終了後に、世界一綺麗と言われるブダペストの国会議事堂の見学をしました。日本語での説明を聞きながら館内を回ることができ、歴史を学びながら見学を行うことができて、どこを見ても綺麗な国会議事堂内がより一層綺麗に感じました。しかし、後悔していることが一つあります。それは日本の国会議事堂を実際に見たことがないことです。ハンガリーの国会議事で感じた衝撃を忘れないうちに日本の国会議事堂を見に行こうと思いました。 

ブタペストの国会議事堂