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韓国語コース教員紹介 第3弾

トピック

2025.06.02

韓国語コース教員紹介〈第3弾〉は「韓国語コミュニケーション(書く・読む)I~III」や「日韓翻訳技法I・II」、「日韓の言語と文化ゼミ」などを担当する亀井みどり先生です。言葉を観察することが好きだと語る亀井先生は、日頃、言葉や外国語学習についてどんなことを考えているのでしょうか。

Q: 言葉の観察って何をするんですか?

特別なことをしている訳ではなくて、日々の生活の中で興味関心が向かう方向が、私の場合は「言葉」なんだと思います。メールやチャットのやりとりで使われる言葉、駅で聞こえるアナウンス、店員さんとお客さんの会話、広告やちらし、商品名やパッケージの表示など、私たちの日常には言葉が溢れていますよね。気がつくと言葉に意識が向いているんです。

身近な例を挙げると、スーパーでレジ袋が必要か聞かれて断る時、私は「大丈夫です」と答えるんですけど、他のお客さんはどう答えるのかなとか、レジ横のグミコーナーに並んでいる「しゃりもにグミ」の「もに」って何だろう?とか。飲み物のパッケージに印刷されたリサイクルを促す表示に「たたんでくれてありがとう」や「リサイクルありがとう、またよろしくね」のような擬人法が使われているのを見つけてアイデアに感動したり。本当に些細なことなんですが、日常の中で出会う言葉の中にちょっとした発見があるとワクワクするんです。

Q: 先生の休日の過ごし方が気になります。

家に籠って体力を充電しています(笑) 掃除と洗濯、授業の準備をして、時間があれば、日本と韓国のドラマやバラエティ、ドキュメンタリーなど、ジャンルを問わず映像をよく見ます。ただやはり言葉が気になって、発話や字幕で初めて知る表現や気になる表現があったりするとメモしたり、新しいドラマが始まる時期には「タイトル」が気になって一通りチェックしたりもします。特に日本のドラマのタイトルには、ひらがな、漢字、カタカナ、アルファベット、いろいろな文字が使われますよね。最近は文レベルの長いタイトルや句読点が使われているタイトルも増えていて、興味深いです。

Q: 学生時代も言葉に関心を持っていたんですか?

そうかもしれません。実は、大学までは日本語教師を目指していました。中学生の時、アメリカからいらっしゃった英語の先生が職員室で漢字の練習をしている姿を見かけて「日本語学習者の方々の役に立ちたい」と思ったんです。そこから日本語教師という職業に関心を持って、日本語教育が学べる大学に進みました。同時に第二外国語として韓国語を選択して学び始めたんですが、聞いていると不思議と幸せな気持ちになって、大学4年間、無中になって学びました。そして大学卒業後、大好きな韓国語をより深く学びたいという一心で大学院に留学をして、最終的に8年間ソウルで暮らしながら韓国語学を専攻することになったのですが、今振り返ると、言葉を観察する習慣は留学中に身についたのかもしれません。

Q: 外国語学習の良い点は?

新しい言語を学ぶと、自分の世界が広がって、人として成長する機会が得られるように感じます。慣れ親しんだ母語との違いに戸惑う過程では、自分が「当たり前」だと信じてきたことが「当たり前でない」世界があって、聞こえ方や見え方が「異なる」世界で生きている人たちがいることに気づきます。そのような気づきを重ねることは自分の視野を広げることでもあるし、自分と異なる立場や状況にいる相手への想像力や寛容さを身につける練習でもあると思うんです。

また、外国語を学ぶ道のりでは、頭で意味を理解していた言葉が心にすっと入ってくるような感覚になる瞬間があって、自分の中に静かな感動を重ねていけることも魅力の一つだと思います。加えて、これは外国語学習に限ったことではないかもしれませんが、新しい言語を学ぶことで新しい人たちと出会い、気持ちを共有したり、一緒に笑い合えたり、そういった小さなこと一つ一つが「幸せ」ですよね。外国語学習を通して自分の人生を彩ってくれる出会いや瞬間が増えていくのは、とても素敵なことだなと思っています。

Q: おすすめの外国語学習方法は?

自分に合う学習方法を見つけて楽しく学ぶのが一番だと思いますが、私のおすすめは、ドラマやバラエティなど、複数人の会話がある映像です。どのような年齢・性格の話者が、どのような相手に、どのような場面で、どのような言葉を使うのか、文脈を理解した上で語彙や表現を学べるという点で良い教材だと思います。流行語や新造語など、今、使われている言葉を楽しみながら学ぶことができるのも良いですよね。外国語学習に終わりはないので、私も外国語学習者の一人として、皆さんと一緒に学び続けたいです。