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学びのデザイン~海外研修×日本語教員×スポーツ~

トピック

2025.09.25

高校まではサッカー一筋に打ち込んできた4年生。大学では日本語を教える活動に意欲的に取り組みながら国際交流を深めました。


――国際文化学科に入学を決めた理由を教えてください。

海外に行きたかったからというのが一番の動機です。高校まではサッカー一筋で頑張っていたので、サッカー強豪国のスペインに協定校があり、スペインへの交換留学もできる国際文化学科に入学を決めました。

――日本語教員養成課程を履修することにしたのはなぜですか。

私は人と交流することが好きなので海外に行って海外の人たちと交流したいと思っていましたが、授業やサークルを通してキャンパスで留学生たちと交流する中で生活が充実してきたので、短期の研修に参加して、さまざまな人と交流することを考えるようになりました。


日本語教員養成課程の授業の中に留学生に日本語を教えるチューター制度があり、フィンランド出身の留学生とペアになり日本語を教える機会がありました。授業時間以外に日本語を教えましたが、自分が日本語を教えるとき以外は英語でコミュニケーションをとっていたので、英語の勉強にもなりました。この時、日本語を教えながら海外の人と交流する楽しさを知り、2年生の3月に台湾で行われたコミュニケーション・インターシップという10日間のプログラムに参加しました。


それまでは海外に行ったことがなかったので、まずは海外に行ってみたいと思い参加しました。このインターンシップに参加して、海外で日本語を教える日本語教員に関心を抱くようになり、帰国してから副専攻の日本語教員養成課程を履修登録し、本格的に日本語教員になるための勉強を開始しました。1年後には奨学金を得て、同じ台湾で1か月のインターンシップに参加することができました。


――もともと交流することがお好きだったのですね。他にはどのような研修に参加されましたか。

インドネシアの研修に2週間近く参加しました。これはボランティア活動を通して文化体験をする研修で、インドネシア語も少し習いましたが、英語を使えるというのも大きな魅力でした。自分の英語力を確認できたので、帰国してからさらに英語学習へのモチベーションが上がりました。


――インドネシアでの異文化体験は日本語教員になる上で役立ちそうですか。

インドネシアでは、キリスト教とイスラム教の施設を訪れる機会があり、これまで宗教をほとんど意識せずに生活していましたが、宗教に従って生きている人々の存在をリアルに感じることができました。帰国後は、東金市の外国の方々にボランティアで日本語を教える活動をするようになりましたが、中にはヒジャブを被っている方々がおり、そのような方々の文化的背景にも意識を向けられるようになりました。

――他に何か異文化体験を通して気づいたことはありますか。

インドネシアでは、インフラも十分に整っていない小さな村でボランティア活動を行ったのですが、日本に帰国して、蛇口をひねれば水を飲めるというこれまで当たり前だと思っていた環境がいかに恵まれたものかということに思い至りました。そこで、海外経験のあるアメリカ文学のゼミの仲間たちと海外での気づきを基にグループ研究を行うことにしました。


他の学生たちはカリフォルニアに長期や短期で留学し、ホームレスの人たちを日常的に目にしたようだったので、日本の貧困状況がどうなっているのかが話題に上り調査することにしました。異文化を体験したことで、それまで気づかなかった日本の課題に気づくことができました。

――アメリカ文学のゼミで調査研究を行ったのですね。どのような調査を行ったのですか。

ホームレス支援団体を訪問し、インタビュー調査を行いました。実際にホームレス支援のお仕事をされている方々のお話を直接伺うことができたのは非常に貴重な体験でした。インタビュー調査では主に、支援団体が行っている居住支援や就労支援についてインタビューさせていただきました。これらの支援を行うために大切なことは、相談者と職員がお互いに信頼関係を築くことだとおっしゃっていたのが一番印象的でした。コミュニケーションを通じて、時間をかけながら相談者との距離を縮め、心に寄り添うことが大切だということを教えていただきました。


ふだん触れる機会の少ない社会問題に目を向けることができたのは、海外での異文化体験があってこそのものでした。その課題を調査する過程では、関連分野で活動されている方々から直接お話を伺い、現場の声をもとに理解を深めることができました。そして、調査の成果を発信したことは、自らの学びを社会へと広げる貴重な実践の場となりました。

――昨年の学園祭では調査研究の発表をされましたが、今年の学園祭では学科主催のイベントの企画に参加されていると伺っています。何事にも意欲的に取り組む積極性を活かしてこれからもご活躍くださいね。

*本記事は、2025年8月2日に実施されたオープンキャンパス企画「学生と教員のクロストーク」を基に作成したものです。

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