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大学での出会いが「藍」の展示会へ 卒業生インタビュー

 

 

永原レキさん(10期生・人文学部=現国際人文学部=卒) 

 


サーフィンと地域のつながりを学ぶため米国、豪州などを放浪し、徳島に帰郷後、阿波藍に出会います。阿波藍が生み出す青と、故郷の空と海の青に強いシンクロを感じ、藍、サーフィン、空海(四国遍路)を掛け合わせた作品の創作と文化の発信活動をはじめました。海陽町に構えた「in Between Blues」を拠点に、阿波藍プロデューサーや環境省アンバサダーとして、国内外の様々な人、モノ、ことを、藍と海でつなぐ活動を続けています。在学時はサーフィン部やオープンキャンパススタッフとして活躍していた永原さん。今に生かされていることや後輩たちへのメッセージを語っていただきました。 

人文学部国際交流学科(現国際人文学部国際交流学科)の出身。当時はサーフィン部の活動がメイン。毎日サーフィンと大学の授業とバイトをしていたと振り返る永原さん。正直に言うと勉強内容をきちんと理解することもなかったそうです。しかし永原さんは、「海外で暮らした後に地元に戻り、藍染めやお遍路を通じて関連する文化や歴史を学び、それを育む土地や自然の魅力に気づきました。帰国してから約15年間、地方で活動して、文化や土地、地域で学んでいることがまさに『文化人類学』であると気づきました。通常、地元の伝統文化に触れて、興味を持つことが一般的だと思いますが、私は大学で学んだ文化人類学をベースに、今も地元の事柄にかかわり、学び、発信しています。さらに、その発信のためのツールとして英語を活用しており、今行っていることのほとんどがJIUで学んだことと繋がっていたんだと、大人になって感じています。」と語ってくれました。 

「当時の自分は、一つ一つの授業に対して、なぜそれを学ぶのか、その目的を考えなかったし、内容もよく理解していなかった。しかし、今になって思うのは、きちんとした目的を持って勉強すべきだったということです。ただ、英語については、私自身サーフィンで海外に行く機会があったため、しっかり勉強しました。皆さんに伝えたいのは、「英語を勉強すること自体を目的にしない」ということです。なぜ英語を学ぶのか、私の場合はサーフィンを通して海外の人とコミュニケーションするためでしたが、自分の目的を見つけて英語を学ぶことが大切だと思います。JIUは素晴らしい環境にあり、私は20年ぶりに戻ってきて、このような環境で勉強できたことは非常に幸運だったとあらためて感じます。皆さんもこの機会を無駄にせず、一生懸命勉強してくれることを願っています。授業に対して真剣に取り組み、先生の教えを聞き、成績を上げれば、その価値も実感できることでしょう。真摯に努力することが将来に生きてくると信じています。」と後輩たちにエールを送ってくれました。


 

 

 

 

真栄城興和さん(11期生・人文学部=現国際人文学部=卒)

 


戦後、琉球染織を復興した真栄城興盛を祖父に持ち、父・興茂に師事し、藍の栽培から染料作り、染め織りまでを一貫して手掛ける「琉球美絣」を継承。2013年、病で車椅子生活を余儀なくされ、染織業から一時離れましたが、琉球美絣布と革によるオリジナルブランド「BIGASURI」を展開します。そして、2017年、車椅子に乗ったままでも織ることができる高機を木工職人と開発し、染織業を再開。空と海の景色を表現した作品を創り続け、障がいを乗り越え、先人の想いと技を継承する姿が国内外から注目を集めています。母校で行った展示会や学生当時を振り返りながら、今後の目標を語っていただきました。 

在学中の特別な思い出として、サーフィン部があります。私はもともと九十九里でサーフィンを楽しみたくてJIUを選びました。偶然にも、サーフィン部が存在し、先輩たちも実力派で、永原レキ君もいて、それが素晴らしい思い出となりました。 

本学のサーフィン部での出会いが今回の展示会に繋がった。とても素晴らしい縁がこの大学にはあると語ってくれました。縁で開催することができた今回の展示会。 

「非常に嬉しい経験でした。久しぶりに母校を訪れ、大学生の時にタイムスリップしたような感覚を味わいました。また、在学生と地元の方々が展示会に訪れてくれたことが非常に嬉しかった。「藍」が世界中で広まっていることを感じることができました。二年前にニューヨークで開催した個展でも多くの方が訪れてくれましたが、「藍」や「Indigo」という言葉が人々を引き寄せる力を持つということ実感しました。」と当時を振り返る真栄城さん。 

「今後の目標は、琉球藍と沖縄の染色文化の理解を深め、自身の技術を向上させ、これを国内外の多くの人に広めつなげていくことです。頑張って実現したいと思っています。」と強く抱負を語ってくれました。